アーサー・ヘイズ、トランプ政権の金融緩和でビットコイン340万ドルのシナリオを試算
著名暗号資産(仮想通貨)アナリストのアーサー・ヘイズ氏は23日、米国の金融政策とビットコイン( BTC )市場を展望する記事を発表。投資アドバイスではないとしつつ、米連邦準備制度理事会(FRB)が大規模な通貨発行を実施した場合の予想を展開している。
ヘイズ氏は、トランプ政権でFRBが行う金融緩和の量について、コロナ禍を引き合いに出して考察した。
パンデミックの期間中、FRBは金融緩和を利用して発行済み国債の約40%を購入し、バランスシートの規模を拡大させたと指摘する。これを踏まえ、FRBは今後、トランプ政権下で発行済み国債の50%以上を購入すると予想した。
また、銀行信用の伸びを推定するのは困難だが、トランプ大統領は最初の任期のコロナ禍において量的緩和を実施しており、銀行信用は2兆5,230億ドル増加したと述べる。
現在のトランプ氏の任期はあと約3年残されており、前述の数字を当てはめると7兆5,690億ドルの銀行融資発行に相当すると続けた。FRBと商業銀行の信用の伸びは合計で15兆2,290億ドル(約2,300兆円)になると推測している。
また、コロナ禍においては、信用成長1ドルに対するビットコインの上昇率は約0.19だったと指摘。これを単純に当てはめた場合、2028年のビットコイン価格は340万ドルと予測されると述べた。
ただし、ヘイズ氏はビットコインが340万ドルまで上昇するとは考えていない。一方で、現在の水準である約11万5,000ドルよりは大幅に高くなるとの見解を示した。ヘイズ氏は今月13日、ビットコインが15万ドル、17万5千ドル、20万ドルと上昇し続ける可能性があると話していたところだ。
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ヘイズ氏の予測は、トランプ氏が政策目標を達成するために数兆ドルの紙幣増刷に真剣に取り組んでいくと仮定した場合のシナリオである。
ヘイズ氏は、トランプ大統領が米国の再工業化と世界における優位性維持のために、米国内の製造業を強化し、ロシア・中国・インド・イランなどに対抗する政策を進めていくと考えている。
そのため、具体的には短期米国債と長期米国債の利回りを調整し、長期金利が短期金利を上回るようにすると予想している。
これにより、相対的に地域銀行にとっても短期金利(借入コスト)が低く、長期金利(貸出収益)が高くなり、銀行が従業員500人未満の中小企業への融資で利益を出しやすくすることを想定している。特に中小の製造業が資金調達しやすくなる格好だ。
また、トランプ氏が2026年上半期までに連邦準備制度に量的緩和政策を実施させることができるようになることも前提している。
ヘイズ氏は、2025~2028年にかけて15兆3,200億ドルの国債発行を行うと想定。政府は低コストで巨額の債務を発行可能となり、製造業支援の公共投資(インフラ、工場補助金、軍事産業など)を拡大できると論じた。量的緩和や金利政策により、中小製造業者の生産能力が向上すると意見している。
また、量的緩和でドル安にすることで、米国の製造品が国際的に日本やドイツなどとの価格競争力を持てるようにするとも予想した。
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