イスラエルのテルアビブ地方裁判所は現地時間27日夜、イスラエル空軍(IAF)の予備役少佐が機密情報を悪用し、予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」に賭けを行っていたとされる起訴状の詳細公開を許可した。 本件は軍の口止め命令が一部解除されたことで初めて報道可能となった。
起訴状によると、この予備役少佐は2025年6月、イランへの大規模空爆作戦「オペレーション・ライジング・ライオン(Operation Rising Lion)」の開始2日前に機密ブリーフィングへ参加。
作戦実施日の情報を知りながら、機密保持契約に署名した直後、民間人の知人にWhatsAppで攻撃の実施日を通知したとされる。その後、知人はポリマーケット上で賭けを行い、2人は合計約16万2,663ドル(約2,600万円)の利益を山分けしたとされる。
不正行為はイランへの攻撃にとどまらなかった。2025年9月には、イエメンへのイスラエルの攻撃に関する情報を知人に伝え、約5,000ドルの利益を得たとされる。
さらに2026年1月には、再びイラン情勢の緊迫化と攻撃が迫っているとの情報を提供し、追加の賭けを試みたが、SNS上で自身のアカウントへの注目が高まったことを察知し、ユーザー名を変更してベットをキャンセルした。
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2人はその後、WhatsAppのやり取りや関連画像を削除し、証拠隠滅を図ったとされる。少佐には機密情報の漏洩、収賄、司法妨害の罪が、民間人の知人には加重スパイ罪を含む複数の重大罪状が適用されている。
イスラエル国防軍(IDF)は「今回の件で実際の作戦上の損害は発生しなかった」としながらも、「重大な倫理的失態であり、明確な一線を越えた行為」と強調し、再発防止策を検討していると表明した。
本件は予測市場での軍事機密の悪用に関連した世界初の逮捕・起訴事例とされており、分散型予測市場におけるインサイダー取引問題への国際的な関心を一段と高めることになった。
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