片山さつき財務大臣兼金融担当大臣は27日、暗号資産・Web3カンファレンス「MoneyX 2026」にビデオメッセージで登壇し、ステーブルコインおよびトークン化預金の社会実装に向けた政府・金融庁の取り組みを詳述した。
MoneyXは、ステーブルコインの正式認可が切り拓く「通貨の新時代」をテーマとした次世代金融カンファレンス。国内外から金融業界の有識者、大手金融事業者、スタートアップ、投資家、規制当局が集結し、技術革新・制度設計・社会実装をめぐる議論を展開する。
参加登録は無料・承認制。日本最大のWeb3カンファレンス「WebX」を主催するWebX実行委員会が主催し、JPYC、Progmat、SBIホールディングス、CoinPostが企画・運営に携わる。
日本では昨年10月、国内初となる円建てステーブルコインの発行が開始され、わずか約3か月で累計発行額が10億円を突破した。
同11月には、三メガバンクがステーブルコインの共同発行に向けた実証実験を発表するなど、民間金融機関の動きが急速に広がりつつある。トークン化預金についても、地域通貨としての活用事例が既に生まれており、発行準備を進める金融機関も相次いでいる。
片山大臣はこうした潮流を踏まえ、「日本は暗号資産やステーブルコインに関する制度整備を世界に先駆けて進めてきた」と強調した。
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大臣はステーブルコインの意義についても言及、単なる送金の高速化・低コスト化にとどまらないと指摘した。
従来のSWIFTやコルレス銀行を通じた国際送金が抱える時間・コストの問題を解消するだけでなく、貿易金融の場面では貨物の輸送・通関情報とブロックチェーン上で代金決済を連動させることで、業務プロセス全体の効率化が実現できるとした。
証券決済においても、金融庁が推進するPPプロジェクト案件として、国債や社債、株式の権利移転をブロックチェーンで記録しステーブルコインによる決済と連動させる実証実験の支援が決定した。大臣は「社会的価値と利便性をもたらすユースケースの具体化こそが重要だ」と述べた。
今後の政策方針としては、今年夏を目途に金融庁内にデジタル金融資産や関連業務を専管する新局を設置し、体制の抜本的な拡充を図る方針を明らかにした。
事業者に対しては、MoneyXのような場でセクターの垣根を超えた人的ネットワークを築き上げることは、ビジネス創出の機会で大変貴重だと言及。法令解釈の面から実証実験をサポートする金融庁のペイメント・プラットフォームの枠組みを活用するよう呼びかけ、「国際的潮流をリードし、世界に誇れる市場づくりのために業界と密に連携していく」と締めくくった。
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