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Aptosのエコシステム責任者が語るエコシステム戦略|独占インタビュー

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ブロックチェーン業界では規制の明確化とともに、大手企業によるWeb3技術の本格採用が進んでいる。そうした中、高速性と拡張性を武器に成長を続けるAptosネットワークが、日本市場への本格参入を加速させている。

Aptosエコシステムの成長を統括し、マーケティングにとどまらず多様な戦略を通じて参加者の拡大を推進するエコシステム責任者のAsh Pampati氏に独占インタビューを実施。

Aptosエコシステムの最新動向から日本市場戦略、そして今後のビジョンまで話を伺った。

エコシステムの基盤となるのはDeFiです。この1年間で、日次取引高、ステーブルコインの送金量、そしてAptosネットワーク上で構築されているビジネスが生み出すアプリ収益が大幅に成長しました。

DeFi以外では、他のエコシステムであまり見られないタイプのビジネスが台頭しています。新興市場全体にマイクロレンディング(少額融資)を提供する構造化金融商品、人間による検証を活用したAI学習データモデルの訓練、オンチェーンの仕組みを使ったクリエイターへの報酬支払いなどです。

これらは暗号資産業界における新しいタイプの創業者や企業であり、従来の暗号資産企業とは一線を画しています。

他のエコシステムから新しい開発者が参入することも機会の一部ですが、私たちが重視しているのは、AI産業、ロボティクス、環境科学などの伝統的な業界で働いていたであろう開発者を暗号資産業界に引き込み、その技術を使って製品やユースケースを構築してもらうことです。開発者を惹きつける方法について、より広い視野を持っています。

シンガポール、香港、東京、パロアルトなどで、最高の教育機関や大学と連携し、最も優秀な人材を採用して暗号資産業界での構築を促す取り組みを進めています。これが、暗号資産業界だけでなく、より広いテクノロジー業界から最も優れた人材基盤を獲得するための戦略です。

マーケティングやビジネスパーソンとして、消費者向け・企業向けテクノロジー企業で働いてきました。Spotifyの米国進出時の成長推進に携わり、その後YouTubeの重要な時期にクリエイターエコノミーの形成を支援しました。そして現在、Aptosで働いている理由は2つあります。

第一に、暗号資産業界だけでなく、テクノロジー業界全体で最高のエンジニアや技術者と働くことができること。第二に、ネットワークとエコシステムの構築において、スケールと実世界への応用を重視する哲学を持っていることです。

暗号資産業界で3年以上働いてきましたが、今初めて、暗号資産に関わっていない家族や友人に対して、なぜこの技術が価値があるのか、何を変えるのかを明確に説明できるようになりました。加えて、欧米でも日本でも、消費者や暗号資産のユーザー、ビジネスオーナーにとって構築や拡大を容易にする規制の明確化が進んでいます。

これらは、次の10倍、100倍の成長を実現するための理想的な条件が整っていることを意味しています。

技術は既存のあらゆるものより10倍、100倍優れています。しかし、採用はその曲線に追いついていませんでした。その大きな理由は規制の不明確さでした。

現在、状況は大きく変わりつつあります。採用は急速に進んでおり、技術的に準備ができて、それを受け入れる体制が整っているブロックチェーンは非常に限られています。韓国のLotteのような大企業や、日本企業がブロックチェーンを活用して消費者とつながり、ロイヤルティを構築し、保護と報酬を提供する事例が既に現れています。こうした動きは欧米でも同様に増加していくでしょう。

ロードマップとしては、第一に、ブロックチェーンは今よりはるかに高速になります。現在のWeb2のようなユーザー体験に匹敵し、すぐにそれを上回るものになろうとしています。ユーザーは暗号資産アプリを使っていることを意識する必要がなくなり、ブロックチェーンに支えられたアプリを自然に使えるようになります。

第二に、特定のユースケースに特化したブロックチェーンを構築しています。トレーディングエコシステムでもクリエイターエコシステムでも、Aptos本体と同等に高速で安全なコンポーザブルアーキテクチャ(組み合わせ可能な構造)を利用できます。

第一はDecibelです。機関投資家向けの分散型トレーディング会場を提供し、リスクオンでもリスクフリーでも、暗号資産をトレードしたい人々により高い透明性とアクセスを提供しています。

第二はShelbyです。Jump Cryptoとのコラボレーションにより、AI学習モデルや分散型ストリーミングサービスが実際に分散システム上で構築できるようにするための、データに関する重要な障壁を解消します。

第三は、NBC Universalとの取り組みです。グローバルな大手メディア企業であるNBC Universalと共同で構築しているのは、コンテンツが所有権やアクセスを失うことなく、プラットフォーム間をシームレスに移動できる仕組みです。

第四は、インド最大の通信プロバイダーであるJioとのパートナーシップです。世界最大級の通信事業者がブロックチェーン技術とAptosをインフラとして活用し、顧客関係の構築と維持管理を行っている点は注目に値します。

これらは、実用的なアプリケーションを目指すエコシステムの一部に過ぎません。

業界にとって、非常に多様な技術哲学やブロックチェーンアーキテクチャが市場に存在し、実験され、何が最良かを判断できることは大きなメリットだと考えています。

応用技術としてAptosが最良であると確信しています。暗号資産は2つに分類できます。一つは価値の保存と資産、もう一つはその価値をA地点からB地点へ移動させる技術です。Aptosは後者において最良であり、大企業や消費者向けアプリケーションからの需要は、自然に最良のアーキテクチャを選択するでしょう。

既にステーブルコインでその兆候が見られています。EthereumやSolanaなどのより成熟したエコシステムと比較すると、Aptosのステーブルコイン導入は遅れていましたが、流通速度の観点ではより大きな成長を見せています。これは、同じ資産を移動させるユーザーが、より効率的な経路を選択していることを示しています。

データで確認できるこの傾向は、私たちが正しい方向に進んでいることを示す重要なシグナルです。次の波の採用に対応できる技術を持つブロックチェーンは限られていますが、Aptosはその一つです。

HashPortとパートナーシップを結べたことは非常に有意義です。彼らはブロックチェーン技術、企業のオンボーディング、実世界のユースケースの観点で、この分野の真のリーダーです。

グローバルな技術グループとして、日本という地域に深く根ざしたグループと連携することは、理想的な組み合わせです。こうした成長を今後も継続していきたいと考えています。

消費者向けアプリケーションに加えて、日本は米国と並んでIPとAIの主要拠点です。クリエイターエコノミーは世界中でまだ始まったばかりです。Shelbyを通じて、Jump Cryptoとのコラボレーションにより、コアインフラの課題を解決し、NBC Universalと共同開発したWatchingのようなサービスを構築していきます。これにより、クリエイターが自身のキャリアやプラットフォームを立ち上げ、オーディエンスを所有し、ユーザーとのインセンティブを管理できるようになります。

日本は、深く根ざした文化、規律、強力な企業や技術価値に加えて、創造性とIPの重要な拠点でもあります。この展開を開始できることを楽しみにしています。

その考え方を深く尊重しています。米国は、Fordのような優れた企業やブランドとともに、その考え方で構築され、経済発展につながりました。日本もそれと同様の道を歩んでいると見ています。

信頼を構築するには、現場に存在し、文化的な枠組みを理解した上で、その中で活動することが重要だと考えています。HashPortのような企業との協力により、日本市場への深い理解と存在感を示すことができ、それが進歩への道となります。

日本にはすでに創造的に考える優れたイノベーターやビジネスリーダーが存在しています。そうした企業と協力することで、適切なアプローチを実現できると考えています。

Aptosでは、技術だけでなく、MetaやGoogleのような成功企業出身の人材が、その技術を念頭に置いて構築しています。短期的な視点ではなく、長期的な視点で取り組んでいます。

成功する起業家を目指す開発者や構築者を採用し、高い信念を持ってサポートしていきたいと考えています。それが私たちの哲学であり、日本コミュニティに伝えたいメッセージです。

インフラストラクチャには多層的なアプローチが必要です。

最も基礎的なレベルでは、ハードウェアやインターネットを接続するファイバーまで遡ります。Zero Gravity(AI特化のレイヤー1)のようなパートナーとの協力は重要な機会です。

その上位レイヤーには、Shelbyのようなプロジェクトがあります。これによりデータのボトルネックが解消され、Aptosのようなネットワークを使用して分散方式でシステムを調整できるようになります。

このスタック全体が、Aptosが技術面で、そして長期的なアライメントの観点で協力しているものです。進展は迅速に進んでいます。政府による規制の明確化と、企業がブロックチェーンを実用的なユースケースとして採用し始めることで、100倍の成長が実現するでしょう。日本はそうした成長が見込まれる重要な市場の一つです。

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