暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwise(ビットワイズ)のマット・ホーガン最高投資責任者は、定例のメモの中で、ビットコイン( BTC )は「サービス」であるとの見方を示した。
その上で、ビットコインの価値は、政府や銀行、サードパーティーに頼らずにデジタル形式で資産を貯蔵できるサービスにあると主張。そして、そのサービスを望んでビットコインに投資している機関投資家は増えていると論じている。
今回の内容を記したメモをホーガン氏が公開したのは11日。その内容を海外メディアが19日に報じたことで現在関心を集めている。
ホーガン氏は、ビットコイン価格の最近の下落は短期的なもので心配していないと述べ、今回のメモでは相場について書くのではなく、ビットコインに関する大局的な見方を共有すると説明した。メモのタイトルは「なぜビットコインは価値があるのか」だ。
同氏は、「ビットコインは触れることができない。触れられないものには価値がない」という事実にこだわる人々がいると感じるため、ビットコインをモノではなくサービスであると考えることを気に入っていると説明している。
今回ホーガン氏は、ビットコインの価値の仕組みを説明するために、IT大手マイクロソフトと比較。ビットコインの価値が向上する仕組みは同社と同様であると主張している。
マイクロソフトは文書作成ツールの「ワード」などを使用できるサービスを提供しており、自身もサブスクリプションの料金を支払って利用していると説明。そして、他の条件が同じ場合、多くの人がサービスを利用するほど企業としての価値が向上し、株価が上昇する仕組みになっているとした。
その上で、ビットコインも同じ仕組みであると指摘。ビットコインのサービスを利用したい人が増えるほど、価格は上昇し、誰もサービスを望まないようになれば価格はゼロになるだろうと述べている。
ホーガン氏は、ビットコインがこれまで大きく価格を上昇させてきたのは、多くの人がビットコインが提供するサービスを望んでいるからであると主張。現在では、ハーバード大学の寄附金運用基金、アブダビの政府系ファンド、著名投資家のレイ・ダリオ氏らが投資するまでになったと述べている。
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そして、マイクロソフトとの違いは、ビットコインのサービスは利用するために企業に料金を支払う必要がないことであると指摘。ビットコインは購入するだけで、サービスを利用できると説明した。
最後に同氏は、デジタル化が進む中で政府の債務は膨張しており、今後はさらに多くの人がビットコインのサービスを利用したいと考えるだろうとの見方を示している。
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