430億円規模に、バイナンスが「異例の補償」実施 トランプ・ショックに関する価格異変で
最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは11日、10日夜の急激な価格変動により資金を失った一部のユーザーに対し、ケースバイケースで補償を行うと発表した。
バイナンスの共同創業者兼最高顧客サポート責任者であるヘイ・イー氏は、バイナンスに起因する損失が発生していた場合には対応するとして、次のように説明している。
バイナンスは特に、エセナのステーブルコインUSDe、バイナンスが発行するソラナ(SOL)流動性ステーキングトークンBNSOL、ラップド流動性ステーキングトークンWBETHの3つのトークンの問題に関して声明を出した。
これらのトークンは10日夜に大幅なディペッグ(元資産との価格乖離)が発生していた。これにより強制的な清算が発生し、一部ユーザーのポジションに影響が出た格好だ。
たとえば、米ドルと紐づけられ1ドルの価値を維持するように設計されたUSDeは一時0.66ドルを下回った。
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バイナンスは12日、影響を受けたすべてのユーザーに補償するとして、次のように発表している。
さらに、再発防止のために追加の安全策を実施したとも述べた。関連するパラメータを調整しており、具体的にはBNSOL、WBETH、USDEの価格指数のウェイトに償還価格を加算する。
また、USDe指数ルールには、価格安定性を向上させるための最低価格閾値を含め、市場状況に応じた動的な調整を確実に行うためにリスク管理パラメータの見直し頻度を高めるともしている。
バイナンスはその後13日、ディペッグに対する補償を2回に分けて行ない、総額は約2億8,300万ドル(約430億円)になったと報告した。
不具合の背景については、世界的なマクロ経済イベント(トランプ氏の関税発言とみられる)が市場の極端な変動を引き起こし、投資家が集中的に売りを出したことを挙げた。
この市場の急激な変動では、内部送金やEarn商品の償還に短時間の遅延が発生し、証拠金補充にも影響が出た。バイナンスはこの件についても、影響を受けたユーザーに対して損失額を補償する。
バイナンスは、特定のスポット取引ペアにおける極端な価格変動についても調査し、説明を行っている。例えば、同社のプラットフォーム上ではスイ(SUI)が一時的に85%急落するなどの表示が観察された。
今回の調査によると、市場が急落し買い注文が不足している状況下で、IOTX、ATOMなどの銘柄で2019年まで遡るものも含め過去の指値注文が発動したことが一因となっていた。
バイナンスは、システムの継続的な改善に尽力していくとしている。
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