ビットコイン史上最高値更新、独歩高の背景に強気の投資家態度|仮想NISHI
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨ビットコイン( BTC )は5日、史上最高値を更新した。Deribitなどの主要取引所においてオプションカットオフが実施され、ポジションの整理が進んだのち、流動性の薄くなる日曜日に12万5千ドルのポジションが狙われたと考えられられる。
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オーダーブック(板情報)を見ると、最高値圏に位置するため現値の上下いずれの水準でも板が極めて薄い状況にある。これにより、瞬間的な上昇や下落が発生しやすく、ボラティリティの高い環境となっていることが分かる。
デリバティブ市場をみると、10日限の先物価格と現物価格の価格乖離がほとんど見られない。ビットコインが史上最高値圏にありながらも、需給が極めて引き締まった状態にあることを示している。また、31日限と現物価格の差も縮小しており、10月全体を通じて需給超過、すなわち買い圧力の優勢が続く可能性が高い(下画像赤枠)。
オプション市場では、史上最高値である12万4,000ドルを超える価格帯のコールポジションが急増している(下画像赤枠)。プット・コールレシオ(PCR)は極めて低い水準にあり(下画像黄矢印)、投資家心理がかなり強気に傾いていることが鮮明となっている。とりわけ14万ドルのコールオプションが最大建玉となっており、市場が14万ドル付近を強く意識していると推察される。
観測期間を過去2カ月とした主要アセットクラスとの相関分析では、Nasdaq100が-0.16、金(ゴールド)が-0.10、原油(オイル)が-0.17といずれも低い数値を示している。つまり、現在のビットコインは主要アセットクラスとほとんど相関しておらず、独立した値動きをしていることが分かる(下画像赤枠)。この特徴は、金融市場全体における「脱中央集権的リスクヘッジ資産」としてのビットコインの存在感を際立たせている。
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史上最高値を更新した現状においても、内部指標からは依然として上昇余力を残していることが読み取れる。とくに、先物・オプション双方の建玉バランスや、板の厚みの変化を総合的に見ると、過熱感よりも需給の締まりが優勢である。投機的な一時上昇というよりは、構造的な買い圧力の高まりによる上昇である可能性が高い。
これらの背景として、米政府閉鎖問題が続くなかで、中央集権的な制度や政治リスクへの不信感が高まっていることがある。「無国籍資産」としてのビットコインへの需要が拡大しており、安全資産の一角として再評価が進んでいる。米国債市場やドル指数といった伝統的なリスク回避先ではなく、非中央集権的なデジタル資産に資金が向かうという潮流が鮮明化していると考えられる。
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