仮想通貨ファンドから1200億円流出 FRB利下げ観測後退受け=CoinShares
暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesリサーチ部門のジェームズ・バターフィル氏は29日、デジタル資産ファンドへの資金流入状況について週間レポートを発表した。
先週、仮想通貨投資商品からの資金流出額は8億1,200万ドル(約1,200億円)に達したと報告している。背景は、予想以上に好調な米国のマクロ経済データ、特にGDPと耐久財の改定値を受け、FRBの利下げ観測が後退したことがある。
一方で、最近の累積流入額は依然として多く、月初来で40億ドル(約5,900億円)、年初来で396億ドル(約6兆円)に達している。今年も、昨年の年間流入量である486億ドルに並ぶ勢いを維持しているところだ。
先週、ビットコイン( BTC )投資商品からは、7億1,900万ドルが流出している。一方でバターフィル氏は、ビットコインのショート投資商品への需要はそれに見合うほど増加しなかったと指摘した。
このことから、ネガティブなセンチメントは確信度が低く、一時的なものに終わる可能性が高いことが示唆されるとしている。
イーサリアム( ETH )も打撃を受けており、4億900万ドルが流出した。これにより、年初来では120億ドルの流入があるものの、9月の流入額はわずか8,620万ドルにとどまっている。
一方で、ソラナ( SOL )には2億9,100万ドルの流入、XRPには9,310万ドルの流入があった。主要銘柄の中では目立ったパフォーマンスを示している。米国で現物ETF(上場投資信託)の立ち上げへの期待が高まったことによるものと考えられる。
なお30日には、米証券取引委員会(SEC)がXRP、ソラナ、カルダノ(ADA)、ドージコイン(DOGE)などのETF発行体に対し19b-4様式申請書の撤回を要請したと報じられたところだ。
これは、包括的な上場基準ができることにより個別申請が不要となることが背景と伝えられる。
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は「待ち望んでいた仮想通貨ETFの枠組みが実現した。今後数週間から数か月でETFの上場ラッシュに備えるべきだ」とコメントしている。
また、同じくブルームバーグのETFアナリストを務めるエリック・バルチュナス氏も、今回のSECの動きを受けて、アルトコイン仮想通貨ETFの承認確率が「事実上100%」になったと述べた。
関連: ブルームバーグETF専門家予測、SEC包括基準でアルトコインETF承認確率「ほぼ100%」に
なお、今週はビットコインが28日から30日朝にかけて急騰した。米国議会で予算案の民主党支持が得られず、10月1日から米政府が一部閉鎖されることが現実味を帯びたことが背景となっている。
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