初のビットコイン・トレジャリー企業2社合併 Striveがセムラーを買収
米共和党の元大統領候補ビベック・ラマスワミ氏が共同創業した資産運用会社Strive(ストライブ)は22日、セムラー・サイエンティフィックを全額株式交換により買収することで正式な契約を締結したと発表した。
また、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )を1枚あたり平均11万6,047ドルで5,816BTCを買い増している。
手数料および経費を含む総購入価格は6億7,500万ドル(約100億円)で、ビットコイン保有量は5,886BTCに到達した。
セムラー・サイエンティフィックは、米ナスダック上場の医療技術企業で、2024年5月にビットコイン財務戦略を開始している。
合併後の会社は、合計10,900BTC(時価1,800億円相当)以上を保有することになる。さらに、将来の永久優先株発行を支える十分な現金を準備金として保有するとしている。
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Striveのマット・コール会長兼CEOは、次のようにコメントした。
セムラー1株はStriveのクラスA株21.05株に転換される。Striveは、従来のレバレッジ型ビットコイン戦略に伴う債務満期リスクを回避する「優先株のみ」のレバレッジモデルで事業運営を行うことを目指すと述べた。
返済期限(満期)と利息支払いがある債務による資金調達では、ビットコイン価格下落や金利上昇時の資金繰りにリスクがあるが、優先株は返済期限がないため、リスクを抑えられる。
スタンダードチャータード銀行のジェフリー・ケンドリック氏は16日、mNAV(ある企業の時価総額と保有仮想通貨価値の比率)急落により、ビットコイントレジャリー企業の統合が進む可能性を指摘したところだ。
現在、上場ビットコイン・トレジャリー企業の約4社に1社は、保有BTCの価値を下回る価格で取引されており、希薄化よりも速いペースで1株あたりのビットコイン保有量を増やさない限り、積極的な株式発行は制限される。
プレミアムの縮小により、トレジャリー企業は自己資本のみで新たにビットコインを購入する余裕が少なくなっている状況だ。
こうした中、今回のStriveとセムラー合併のような取引は、ビットコイン保有量を即座に拡大し、優先株のみの資本構成を約束する完全株式交換による取引が戦略的なメリットとなる可能性がある。
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The Blockのデータによると、22日時点でビットコイン・トレジャリー企業の保有するビットコインは約79万BTCに達している。

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