サークル、ステーブルコイン特化のL1チェーン「Arc」ローンチへ 25年2Qの決算発表も
ステーブルコイン「 USDC 」を発行するサークルは12日、独自のL1ブロックチェーン「Arc」を発表した。
Arcは、ステーブルコインを使用した金融サービスのためのブロックチェーン。今後数週間でプライベートテストネット、今年の秋にはパブリックテストネット、2026年にメインネットのベータ版をローンチする計画で、ステーブルコインによる金融イノベーションの次の章を推進していくと説明している。
Arcは、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの仮想マシン(EVM)と互換性を持つ。ガス代の支払いにはUSDCを使用し、1秒以内にブロックが確定するなどの特徴がある。
想定するユースケースは、決済、永久先物取引、資本市場など。これらのユースケースのための機関レベルの基盤になれるように設計されており、世界の金融が必要とする高いパフォーマンス、信頼性、流動性を提供するとした。
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サークルは12日、株式上場後初の2025年2Q(4月から6月)の決算も発表。総収益および準備金収入は約6.6億ドル(約972億円)で、前年同期比で53%増加した。
USDCの循環供給量は613億ドル(約9兆円)まで増え、前年同期比で90%の増加。USDCのオンチェーンの出来高は5.9兆ドル(約872兆円)で前年同期比で5.4倍まで増えている。
また、利益は純損失で、損失額は約4.8億ドル(約713億円)だったと説明。これは、今年6月の株式上場に関する、現金の支出を伴わない会計上の費用の影響を大きく受けたとした。
サークルのジェレミー・アレールCEOは、2Qの業績を高く評価した上で以下のようにコメントしている。
米国でステーブルコインの枠組みである「ジーニアス法」の制定が7月に決定するなど、各国でルール整備が進んでおり、これからUSDCなどのステーブルコインの普及が加速する可能性がある。サークルは今回の発表で、事業に関する重要な出来事にジーニアス法の制定も挙げた。
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サークルの株価は12日の取引開始直後に一時187ドル超まで上昇するも、終値は163.21ドルで前日比プラス1.27%。一方で、時間外取引では本記事執筆時点で153ドル台まで値を下げている。
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