強気相場とリスクが交錯、ビットコイン12万ドル到達後の市場展望=アナリスト分析
仮想通貨分析プラットフォーム「クリプトクアント」の登録アナリスト、ジョアオウェドソン氏は7月14日、ビットコインが初の12万ドル突破を受けた市場分析を発表した。同氏はビットコインが強気相場の本格化にはまだ到達していないが、近く変化する可能性があると指摘している。
ジョアオウェドソン氏の分析によると、バイナンスでの「パーペチュアル・スポット価格差」が重要な指標となっている。この価格差は、現物価格(実際の取引価格)とパーペチュアル先物価格(無期限の先物契約の価格)の差を指し、市場の需給バランスや投資家のセンチメントを示す。現在、現物価格が先物価格を上回る状態が続いており、これは市場が過度な陶酔状態(ユーフォリア)に達していないことを示している。
しかし同氏は、この価格差が徐々に縮小傾向にあることから、市場センチメントが慎重な蓄積から楽観的な姿勢へと変化しつつあると分析した。過去の事例では、この指標がプラスに転じた際にビットコインが急激な上昇局面に入る傾向があったとしている。
一方、オンチェーン分析企業グラスノードは7月15日、ビットコインが12万ドルを突破した背景について詳細な市場分析を公表した。同社は現在の市場が強気相場(高い確信度)を示している一方で、リスクも高まっていると警告している。
グラスノードの分析では、現物取引量が46.6%急増し、累積出来高差分(CVD:買いと売りの取引量の差を累積した指標)が反転したことで、投資家の積極的な参加と意欲的な買いへの転換が確認されたとしている。CVDの上昇は、買い注文が売り注文を上回り、市場に強気な勢いがあることを示す。
先物市場についても、建玉残高が高水準バンドを上回り、ファンディングレート(先物市場の資金調達コストを示す指標)が210万ドルに急上昇したことから、ロングポジションへの強い確信が示されているとグラスノードは分析。また、オプション市場でも上昇エクスポージャーへの需要拡大が見られるとしている。
ただし同社は、供給の99%近くが利益状態にあり、利益確定売りが増加していることから、市場の陶酔状態と調整リスクの高まりに注意が必要だと結論づけている。
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