仮想通貨取引所クラーケンがDeFiプロトコル「アーベ」に出資する交渉を進めていると、コインデスクが26日、事情に詳しい複数の関係者の証言を基に報じた。
コインデスクが入手した資料によると、クラーケンは3万5,000ETHのイーサリアムを拠出し、25万AAVEトークンとアーベ・グループの普通株15%を取得する案が検討されている。バリュエーションは3億8,500万ドルで、取引総額は約7,100万ドル相当とされる。
関係者2名によれば、クラーケンはこの案件の一部を他の投資家に共同引き受けさせることも検討しているという。
事情を知る別の関係者は、今回の投資がクラーケンの親会社ペイウォード社のペイウォード・アセット・マネジメント構築に向けた一連の案件の第一弾になると話したという。
一方で、アーベ創設者のスタニ・クレチョフ氏は26日、Xへの投稿でコインデスクが報道した内容の一部に反論した。クレチョフ氏は「AAVEを時価の70%引きで売却することは絶対にない」と明言し、報道の「構図は不正確だ」と指摘した。
また、同氏はアーベの収益構造についても説明した。アーベ・プロトコルおよびGHOの収益は100%がAAVEトークン保有者に帰属し、アーベ・ラボはDAOのサービスプロバイダーとして機能するのみで、プロトコル収益は受け取らないと強調した。また、アーベ・ラボが保有するAAVEトークンの一部について、複数の市場参加者が長期的なパートナーシップを通じた取得を協議していることは認めた。
アーベは現在、年換算で1億3,400万ドルの収益を上げており、その全額がアーベDAOに帰属するとクレチョフ氏は説明した。同氏はAAVEの新たな買い戻し機構を含む「エイブノミクス3.0」を設計中であることも明かし、数週間以内に四半期説明会を開催する予定だと述べた。
アーベは最大規模の分散型レンディング・プロトコルで、ユーザーが仲介者なしで仮想通貨の貸し借りを行えるプラットフォームだ。預け入れたトークンは流動性プールに供給されて利回りを生み、借り入れる際は仮想通貨を担保として差し入れる。スマートコントラクトがこの一連のプロセスを自動で管理している。