暗号資産(仮想通貨)分析企業のクリプトクアントは6月5日、週間市場レポートを発表。仮想通貨取引所において、スポット(現物)取引高が縮小し、同時に伝統型資産の先物が急成長していると指摘した。
クリプトクアントは、2026年4月の中央集権型取引所(CEX)全体におけるスポット取引高は6,790億ドル(約109兆円)で、2023年10月以来の最低水準になったと指摘した。弱気相場が業界全体の活動を抑制していると述べる。
4月のスポット取引高は、前年比46%と大幅減少、2025年10月以降では67%の減少を示した。仮想通貨価格の下落と、個人投資家の参加減少の両方が影響している。
一方で、伝統資産(TradFi)の永久先物が急成長しており、これは伝統的な資産市場とデジタル資産市場が合流していることを示唆する現象だ。
クリプトクアントは、仮想通貨取引所はデジタル資産を超えて、より広範な資産を扱うプラットフォームへと進化しており、特に金銀など貴金属が牽引していると述べる。
インフレ懸念が続く中、金と銀の価格が過去最高値を更新し、AI(人工知能)関連の楽観論に牽引されて世界の株式市場も史上最高値を更新。また、米国とイラン間の緊張の高まりを受けて原油価格が急騰している。
クリプトクアントは、こうした中、トレーダーは24時間365日稼働する市場を通じてエクスポージャー(資産の価格変動にさらされること)を得るために、仮想通貨取引所にますます注目するようになっていると説明した。
特に、トレーダーは仮想通貨ネイティブの取引プラットフォームを通じて、金と銀へのレバレッジ投資を行っている。4月と5月には、イラン・米国間の紛争によるエネルギー市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)の高まりと共に、原油の永久先物も台頭した。
クリプトクアントによると、仮想通貨取引所におけるTradFiの永久先物取引は2026年に入ってから加速し、3月には月間取引高が約4,500億ドル(約72兆円)で過去最高を記録した。こうした取引は、少数の大手仮想通貨取引所に集中している。
3月にはGateの月間TradiFi先物取引高が約2,900億ドルに達し、競合他社を大きく上回った。貴金属関連取引の活発化が主な要因だ。バイナンスが続き、3月の取引高は1,090億ドルに達した。
MEXC、Bitget、Bybitでも取引量が大幅増加。特に金属以外の石油関連商品への関心の高まりが顕著だった。
Gateとバイナンスだけで、2026年初来のTradFi先物取引高全体の約3分の2を占めている。クリプトクアントは、Gateがトークン化株式、貴金属、指数、24時間365日稼働のデリバティブ市場への戦略的な投資を行っていることに言及した。
Gateはこの取り組みを強化しており、米国のフィンテック企業Alpacaと提携して1万銘柄以上の米国株とETF(上場投資信託)の直接取引を提供開始すると発表した。