米財務省は4月1日、ステーブルコインを規制するジーニアス法の実施に向けた規則案(NPRM)を公表し、州レベルの規制体制が連邦規制の枠組みと実質的に類似しているかかどうかを判断するための基本原則について、一般からの意見募集を開始したと発表した。
今回の規則案は、発行残高が100億ドル未満のステーブルコイン発行者に対し、州規制の選択を認めるジーニアス法の条項を具体化するものだ。州規制を選択できるのは、当該州の規制体制が連邦の枠組みと実質的に類似していると財務省が認めた場合に限られる。パブリックコメントの受付期間は連邦官報への掲載後60日間で、意見はregulations.govを通じて提出できる。
規制の輪郭が明確になることで、現在約3,100億ドル規模のステーブルコイン市場は拡大局面を迎えると見られる。銀行は事前承認なしでステーブルコインの発行・カストディ・決済に参入できるようになる一方、非準拠コインは主要プラットフォームから排除されるリスクがある。市場の流動性は規制準拠資産に集中し、DeFiプロトコルはより保守的な運用を求められる見通しだ。
ジーニアス法は2025年7月に成立した米国初の包括的なステーブルコイン連邦法で、準備資産の1対1裏付けや毎月の準備資産構成の開示などを義務付けている。財務省は昨年8月にデジタルフォレンジックツールとステーブルコインに関する意見募集を実施し、同年9月には税務・情報収集に関する広範な意見募集も行っており、今回のNPRMはその流れを引き継ぐものだ。。
米通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)もそれぞれ規則案を公表しており、複数の連邦機関が並行してジーニアス法の解釈・実施作業を進めている。
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財務省は今回の規則案について「すべての利害関係者からの意見を歓迎する」と表明した。一方、ジーニアス法には利回り型ステーブルコインに関するガイドラインが含まれておらず、この点は議会上院が議論する市場構造法案「クラリティー法」の策定においても大きな論点となっている。
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