マスターカードは17日、ステーブルコインインフラ企業BVNKの買収に向けた最終合意を締結したと公式声明で発表した。買収総額は最大18億ドル(うち3億ドルは条件付き支払い)で、マスターカードの仮想通貨分野における取り組みとして大規模な資本投下となる。
BVNKは2021年に設立され、法定通貨とステーブルコインを橋渡しする決済インフラを130カ国以上に提供してきた実績を持つ企業。マスターカードとBVNKの機能を統合することで、主要なブロックチェーンネットワーク全体でのデジタル資産・チェーン非依存型の決済基盤が実現する見通しだ。
マスターカードによると、2025年の仮想通貨決済ユースケースの取引量は少なくとも3,500億ドルに達しており、市場規模の拡大が買収の判断を後押しした。
今回の買収は、金融機関やフィンテック企業がクロスボーダー送金・P2P・B2B決済などでステーブルコインやトークン化預金を活用するための選択肢を広げる。マスターカードのグローバル決済網に法定通貨とステーブルコインを相互接続するオンチェーンレールが加わることで、競合のビザを含む伝統的決済大手によるブロックチェーン活用競争が一段と激化するとみられる。
マスターカードは今月11日、バイナンス・サークル・リップル・ジェミナイ・ペイパルなど85社超が参加する「クリプト・パートナー・プログラム」を立ち上げており、今回のBVNK買収はその延長線上にある。
CoinPostが報じたArtemis Analyticsの集計では、2025年のステーブルコイン送金総額は前年比72%増の33兆ドルに達しており、マスターカードは急拡大する市場への対応を加速させている。
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マスターカードによれば、今回の取引は規制当局による審査など通常の手続きを経て、2026年末までの完了を見込む。買収完了後はBVNKの持つマルチチェーン対応インフラを活用し、資本市場・財務管理など商業領域における仮想通貨決済のユースケース拡大を順次推進していく方針だという。
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