国際的なマネーロンダリング防止の枠組みを策定する金融活動作業部会(FATF)が3日、ステーブルコインとアンホステッド・ウォレット(自己管理型財布)に関する最新の報告書を公開した。
報告書の中でFATFは、中央集権的なサービスを介さない「ピア・ツー・ピア(P2P)」の取引が、仮想通貨サービスプロバイダー(VASP)による監視を回避するための手段として悪用されている現状に強い懸念を示した。
特にステーブルコインは、その流動性の高さから不正資金の移動に利用されやすいと分析。リスクを軽減するため、発行体に対し「資産凍結」や「拒否リスト(デナイリスト)」などの技術的セーフガードを積極的に適用するよう求めている。
FATFは、これらのセーフガードが一部の主要なステーブルコインですでに実装されていることを評価する一方で、管轄区域によって規制の適用状況にばらつきがあることが、グローバルな対策の盲点になっていると指摘した。
今回の提言は、今後各国がステーブルコインの規制案を策定する際の重要な指針となる見通しだ。特に自己管理型ウォレットとの取引を巡る「トラベルルール」の適用範囲や、発行体への監督権限の強化が議論の焦点となるだろう。
市場では、FATFの厳格な姿勢がステーブルコインの利便性に影響を与える可能性も指摘されている。規制当局と業界がイノベーションの維持とマネロン防止をいかに両立させるか、高度な政策的判断が求められる局面に入っている。
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