*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は、3月4日から5日にかけて急騰し、上昇幅は一時100万円を超えた。
背景には、米国の暗号資産政策をめぐる前向きな動きがある。トランプ大統領をはじめとする米政府高官が、銀行業界との対立のなかで進捗が遅れていたクラリティー法案について、銀行業界側に譲歩を求める姿勢を示したことが報じられた。
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また、米大手暗号資産取引所グループであるクラーケン・フィナンシャルが、暗号資産関連企業として初めてFRBのマスター口座を取得したことも市場の好感を集めた。
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さらに、米国・イスラエルとイランの軍事衝突が拡大し、世界の物流の要衝であるホルムズ海峡への影響が懸念されていることも、ビットコインの上昇要因となっている。地政学リスクの高まりを背景に、国家に依存しない資産であるビットコインへの資金流入が増加しているためである。
成行注文の状況では現物市場を中心に買い注文が多く入っており、実需を伴った上昇であることが確認できる(下画像青枠)。
また板情報(オーダーブック)を見ると、7万5,000ドル付近に一定の買い指値が存在するものの、現値の上下には厚い注文が少なく、短期的にボラティリティが高まりやすい構造となっている。
加えて、オプション市場ではPCR(プット・コール・レシオ)が大きく低下しており(下画像黄矢印)、投資家のセンチメントが強気方向へ転じていることが読み取れる。
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現状の市場環境を総合すると、米国における暗号資産業界と銀行業界の対立によって先行き不透明感が高まっていたクラリティー法案について、トランプ政権が暗号資産業界への強いコミットメントを示したことが、投資家態度の改善につながっている状況である。
さらに、イラン情勢を巡る地政学リスクの高まりにより、リスクヘッジ資産としてのビットコインの存在感も高まっており、これら二つの要因を背景に、当面はビットコインの上昇圧力が継続する可能性が高いと考えられる。
ただし、中東情勢の悪化に伴い原油価格が急騰する兆しを見せている点には注意が必要である。原油価格の上昇が長期化した場合、電力コストの上昇を通じてビットコインマイナーの収益性に影響を与える可能性があるためである。
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