JPYC株式会社は27日、日本円ステーブルコイン「JPYC」の普及・拡大を目的としたシリーズBラウンドのファーストクローズとして、東証プライム上場のアステリア株式会社をリード投資家に迎え、総額17.8億円の資金調達を完了する予定だと公式発表した。
2026年1月末時点での直接口座開設数は1万3,000件だが、JPYCを保有するウォレットアドレス数はその約6.2倍にあたる8万アドレスを突破した。累計発行額は2月16日時点で13億円相当分を超え、月次平均約69%のペースで拡大が続いている。
日次での資産回転率が流通額の100%を超える水準にあり、送金・決済・交換用途での実需に基づく利用が活発化している。
JPYCは2019年に設立され、2025年8月に資金決済法に基づく資金移動業者として登録。同年10月に新「JPYC」の発行を開始した。
現在はイーサリアム・ポリゴン・アバランチの3チェーンに対応し、それぞれ異なる経済圏をつなぐデジタル通貨としての地位を確立してきた。2月4日には、アステリアとの資本業務提携も締結済みで、企業の基幹システムとJPYCをノーコードで連携させる環境整備も進んでいる。
関連: JPYCとアステリア株式会社が資本業務提携、日本円ステーブルコインの社会実装を加速
今回の調達資金は、金融機関水準のセキュリティを備えたシステム基盤の強化、事業開発・法務・ブロックチェーン人材の採用、法人向けBtoB送金基盤の拡充、そして新規ユースケース創出への戦略投資の4領域に重点配分される。AIエージェントが自律的に価値を送受信する「M2M(Machine to Machine)決済」への対応も視野に入れており、デジタル給与払いなど将来的な需要も取り込む構えだ。
同社は今後3年で発行残高10兆円規模の実現を目標に掲げている。LINE NEXTとのウォレット協業や、三井住友カードとのマイナンバーカードを活用したタッチ決済実証など、大手企業との連携も相次いで動き出しており、実証フェーズから社会実装フェーズへの移行が本格化している。
今回の資金調達により、マルチチェーン展開のさらなる拡充と、実店舗・EC・企業間送金を含む複数の決済スキームが同時並行で稼働する見通しだ。国内でのステーブルコイン法制度整備が進む中、JPYCが「日本円のデジタル流通における共通通貨」としての地位を確立できるかが問われる局面に入る。
関連: Secured Finance、UBSトークン化MMFを担保にJPYC・USDCの借入が可能に


