米金融大手のモルガン・スタンレーが、ブロックチェーンと現実資産のトークン化に精通した中堅・管理職レベルのソフトウェア・エンジニアを募集していることが明らかになった。
同行は先月末、ベテラン幹部のエイミー・オルデンバーグ氏を新設のデジタル資産戦略責任者に任命した。同氏の起用に加え、デジタル資産事業に関連する管理職クラスの採用強化は、モルガン・スタンレーが暗号資産(仮想通貨)分野において戦略の大きな転換を進めていることを示している。
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LinkedInに掲載された求人内容によると、「デジタル資産、トークン化、分散型金融(DeFi)向けのソリューションの構築に重点を置いたプロジェクトを主導する人物」が求められている。
主な職務には以下が含まれている。
この中で、指定された4つのブロックチェーンが、パブリックチェーン(イーサリアム、ポリゴン)と許可型チェーン(ハイパーレジャー、カントン)の両方をカバーしている点が、業界の注目を集めている。
モルガン・スタンレーは、パブリックネットワークの高い流動性とレイヤー2の拡張効率を活用しつつ、機関投資家レベルでプライバシーが保護された許可型トランザクションの実現を意図しているとみられる。
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モルガン・スタンレーは、仮想通貨インフラ企業ゼロハッシュ(Zero Hash)と提携し、2026年上半期に傘下のEトレード・プラットフォームで、ビットコイン( BTC )、イーサリアム( ETH )、ソラナ( SOL )の取引を開始する予定だ。
さらに、2026年後半には、トークン化された資産に対応する独自の自己管理型デジタルウォレットを提供する計画も明らかにしている。
報道によれば、このウォレットは既存の投資商品から未上場企業の株式まで、幅広いトークン化資産をサポートする設計となっている。これは、企業福利厚生向け金融サービスやプライベート市場投資を含む、同行の2026年ロードマップの一環とされる。
ウェルス・マネジメント責任者ジェッド・フィン氏は、「金融サービスのインフラは進化しており、新たな基盤が整えば、従来の金融と分散型金融(DeFi)の融合をさらに進めることが可能になる」と述べた。
また同行は1月6日、ビットコインとソラナに連動する上場投資信託(ETF)の登録届出書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。ソラナETFにはステーキング機能が含まれており、米国の大手銀行による仮想通貨ETF申請としては初めての事例となる。
これら一連の動きは、これまで試験運用にとどまっていた仮想通貨事業をウェルスマネジメント・プラットフォームへ本格的に統合し、中核事業して展開していく姿勢を鮮明にするものと言える。
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