*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は30日、約100万円幅の急落となり、年初来安値を更新した。下落の主因として、米マイクロソフトによるAI関連設備投資の先行き不透明感が意識され、同社株がコロナ禍の2020年3月以来となる大幅な下落率を記録したことが挙げられる。
データセンターは一部暗号資産マイニング用途へ転用可能なインフラとして認識される側面があるため、同社株の下落はテクノロジーセクター全体のリスクオフ姿勢を通じて暗号資産市場にも波及した格好である。
加えて、株式市場の上昇と歩調を合わせ史上最高値圏で推移していたゴールドおよびシルバーが瞬間的に急落したことも、市場全体を冷やす要因となった。
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成行注文の動向を見ると、現物市場では断続的な売りが観測されたものの、8万4千ドル近辺では押し目買いが入り、一定の下値支持が確認された。
オーダーブックを確認すると、9万5千ドルから8万ドルにかけて流動性が薄い状態にあり、価格が急変動しやすい市場構造となっており、ボラティリティが増幅されやすい局面といえる。
オプション市場では、年初来安値の更新を受けてコールポジションが積み増され、PCR(プット・コールレシオ)は低下した。これは市場参加者の目線が弱気から強気へ転換していることを示唆する動きである。なかでも10万ドルの建玉増加が顕著であり、中期的な価格回復を見込むポジショニングが進んでいると見受けられる。
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暗号資産市場は、「10・11ショック」以降にポジションを縮小した機関投資家の資金動向が、2〜3月にかけて顕在化する可能性を警戒する局面にある。その結果、米株式市場やゴールドに対してパフォーマンスが劣後する「アンダーパフォーム」の状態が続いている。
足元の特徴として、暗号資産市場はネガティブなイベントニュースに対する感応度が高まっており、外部環境の変化が価格へ即座に反映されやすい。今回の年初来安値更新も、こうした状況を示した事例といえる。
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