韓国IT大手ネイバー(Naver)は11月26日、傘下の金融子会社ネイバーフィナンシャルが韓国最大級の仮想通貨取引所「Upbit」を運営するドゥナム(Dunamu)と合併すると正式発表した。
韓国金融監督院の電子公示システム(DART)への届出によると、株式交換による合併で取引規模は約103億ドル(約1.5兆円)に上る。
交換比率はドゥナム1株に対しネイバーフィナンシャル2.54株で、合併完了後、ドゥナムはネイバーフィナンシャルの完全子会社となる。株主総会は2025年5月22日に予定されており、同年6月30日の合併発効を目指している。
ネイバーは今回の合併について「デジタル資産を基盤とした将来の成長動力を確保するため」と説明している。合併後も両社は既存事業を維持しながら、機能面・戦略面での協力範囲を拡大する方針だ。
ネイバーの検索エンジンやネイバーペイなどの決済サービスと、Upbitの仮想通貨取引インフラを統合することで、総合的なデジタル金融エコシステムの構築を目指す。
韓国政府がデジタル金融ハブとしての地位確立を進める中、今回の合併は同国フィンテック業界の大規模再編を象徴する動きとなる。
Upbitは2017年10月にサービスを開始した韓国最大の仮想通貨取引所で、2025年上半期時点で国内取引高シェアの71.6%を占める。1日平均の取引高は4.6兆ウォン(約5,040億円)に達し、取引量ベースで世界トップ5の取引所にランクされる。
運営会社のドゥナムは2024年通期で営業利益1.19兆ウォン(約1217億円)を記録し、2025年第3四半期には純利益が前年同期比300%超増と好調な業績を維持している。
ネイバーは1999年に設立された韓国最大級のインターネット企業で、同国で最も利用されている検索エンジンや決済サービス「ネイバーペイ」などを展開している。2024年第3四半期の売上高は3.14兆ウォン(約3480億円)、営業利益は5706億ウォン(約634億円)を記録した。
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