複数のメディアが報じたところによると、ジブラルタルを拠点とする仮想通貨対応銀行Xapo Bankは26日、ビットコイン( BTC )建て信用ファンド「Xapo Byzantine BTC Credit Fund」の提供対象を全ての適格会員に拡大したと発表した。
同ファンドは2024年初めにHilbert Groupとの戦略的パートナーシップを通じて開始され、当初は一部の早期アクセス会員のみに提供されていた。初期段階で1億ドル(約150億円)相当の会員資金を集めた後、今回全ての適格会員に開放される運びとなった。
同ファンドの仕組みは、会員が預け入れたビットコインを厳格な審査を経た機関投資家向けに貸し出し、その貸付利息を会員に分配するというもの。収益もビットコイン建てで還元されるため、ビットコイン価格の変動に関わらず、保有BTC量そのものを増やすことができる。
Xapo Bankが提供する通常のBTC貯蓄口座よりも高いリターンが期待できる一方、最低30日間のロックアップ期間が設けられている。同行は顧客のビットコインをレバレッジなしで運用し、短期的なエクスポージャーに限定することでリスク管理を徹底しているという。
Xapo Bankのグローバル・リレーションシップ・マネジメント責任者であるトミー・ドイル氏は声明で「Xapo BTC信用ファンドは、限定的な低リスク選好で安定した利回りを提供することにより、当行のBTC資産商品群にうまく適合している。これは長期BTC保有者向けの商品だ」と述べた。
ビットコイン貸付市場は2022年に大きな打撃を受けた。ビットコイン預金で利回りを提供していたBlockFiやCelsius Networkなどの大手企業が暗号資産市場の急落で破産し、顧客資金数十億ドルが凍結された。
しかし、2025年に入り市場は回復傾向を見せており、現在、複数の金融機関がビットコイン収益商品を提供している。過去の教訓から、現代の貸付モデルは過剰担保や厳格なリスク管理を強化しているという。
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