キルギス共和国、自国通貨建ステーブルコイン「KGST」発行へ バイナンスCZ支援で国家仮想通貨戦略を推進
中央アジアに位置するキルギス共和国のサディル・ジャパロフ大統領は24日、自国通貨ソムに連動する新たなステーブルコイン「KGST」の発行を発表した。KSGTはBNBチェーン上に構築され、ソムに1:1でペッグされる。すでに同国の国家デジタル資産登録簿に登録済みだ。
なお、KSGTは、5月に開発計画が発表された金(ゴールド)準備で裏付けられた米ドル建のステーブルコイン「USDKG」とは別のものとなる。
この発表は、首都ビシュケクで開催された仮想資産・ブロックチェーン技術開発国家評議会の第2回会合の際に行われたもので、同会合には大手暗号資産(仮想通貨)プラットフォーム、バイナンス創設者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏が出席した。
CZ氏は、今年4月にキルギス国家投資庁と覚書を締結し、国家のブロックチェーン・仮想通貨政策およびWeb3戦略に関する戦略顧問として、技術的・政策的な助言を行う立場についている。
ジャパロフ大統領は会合後、国家レベルでの仮想通貨戦略を促進するため、政府機関に対し、以下のような一連の指示を出した。
デジタルソムは、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)であり、今年5月には法定通貨として正式な法的地位を与える法律が可決された。この法律は2027年1月1日から施行される。キルギス共和国国立銀行が、プラットフォームを管理し、デジタルソムの発行や規則の施行、利用者保護を監督する。
デジタルソムの試験運用は、仮想通貨企業Build Block TECHとの先行デモを基盤として、3段階に分けて行われると、キルギス共和国国立銀行は述べている。
第一段階で、商業銀行間の送金接続を実施。次に中央財務局と連携して社会保障と政府の支払いを行う。最終段階では、オフライン環境や通信状況の悪い地域での取引テストを行い、その後に全国展開を目指す。
キルギスは、国土の大部分を天山山脈とその支脈であるアラトー山脈が占める山岳国家(国土の90%が標高1,500m以上)で、通信インフラの構築は進んでいるが、地域格差もあるため、オフライン機能の提供は重要な要素となり得る。
国立銀行は「3つのフェーズすべてのパイロットが成功裏に完了すれば、プラットフォームを全国的に展開し、拡大していく」と述べた。一方で、CBDCを正式に発行するかどうかの決定は、2026年までに評価を完了した後に行うと改めて強調した。
ジャパロフ大統領は10月初めに行われたバイナンスとの会合後、「長期的にはデジタルソムとKGSTを統合し、国内および国際決済での利用拡大を目指す」と述べている。
CZ氏は、Xへの投稿でキルギスでの進展について、以下のようにまとめた。
CZ氏は、自身の家族資産ファンドであるYZi Labsが出資するSign(グローバルなトークン配布と認証検証のインフラ構築)も、キルギス政府とともにスマートコントラクトの構築に取り組んでいると付け加えた。同氏が目指しているのは、単なる資金のみの投資ではなく、真の戦略的価値の提供だと強調した。

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