アーサーヘイズのビットコイン100万ドル予想、高市政権の積極財政は市場の起爆剤になり得るか?
BitMEXの共同創業者で著名暗号資産(仮想通貨)アナリストのアーサー・ヘイズ氏は22日、高市早苗新政権による物価高に対応した経済対策、及び日銀の動きにより、ビットコイン( BTC )価格が100万ドル(約1億5,200万円)に達する可能性があると予測した。
ヘイズ氏は、高市首相が就任早々、最優先事項として「物価高への対応」を掲げたことに言及し、「これは食料と光熱費の負担を軽減するために、お金を印刷して人々に配るという意味だ」と独自の解釈を披露。
この動きは日本銀行による法定通貨発行の増加につながり、ドル円は200円に、ビットコインは100万ドルになるとの見解を示した。
10月21日に発足した高市政権では、「責任ある積極財政」を軸に、物価高への対応として、財政支出を拡大する姿勢を明確に打ち出している。その一環として、ガソリン・軽油の暫定税率廃止や、電気・ガス料金への補助金再開、高校の授業料や小学校給食の無償化の検討が挙げられている。
また、自治体向け交付金の拡充を通じて、賃上げ促進税制が活用できない赤字の中小・小規模事業者への支援を行う方向性も示している。
ヘイズ氏は、新政権によるこのような景気刺激策の推進が、日銀が量的緩和(QE)への転換を図るきっかけになると見ている。マクロ経済分析に基づく仮想通貨見通しで知られるヘイズ氏は、主要経済国におけるQEの再開が、ビットコインとリスク資産にとって次の大きな触媒となる可能性があると長年主張してきた。
同氏は6月、日銀の金融政策決定会合を前に、日銀がQEに回帰した場合、ビットコインなどのリスク資産が大幅な上昇を引き起こす可能性があると予測していたが、同会合で日銀は政策金利を据え置く結果となった。
次回の会合は10月29、30日に開かれる。日銀の上田総裁は利上げ判断は、会合時点での情報やデータをまとめて議論したのち決定すると述べ、経済・物価の見通しの確度に応じて、金融緩和の度合いを調整していくとしている。ブルームバーグは複数の関係者の話として、日銀は今月の会合で急いで利上げしなくてはならない状況にはないと伝えた。
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ヘイズ氏は以前から、ビットコインが100万ドルに到達するとの予測を公表している。
同氏は5月に公開した自身のブログで、米国債券市場への信頼低下と海外資本の本国送還が主要な要因となり、2028年までにビットコインが100万ドルに達すると予測した。
ヘイズ氏によれば、トランプ政権の経済政策と世界的不安定性の高まりにより、これまで最も安全とされてきた米国債から投資家が離れる流れが加速する。「海外資本の本国送還と巨大な米国債の価値下落が、今から2028年までの間にビットコインを100万ドルへと押し上げる二つの触媒となる」と述べ、「トランプ大統領がビットコインに好意的な今こそ稼ぎ時だ」と強調した。
また、各国で資本統制が進み、金融が分断された世界において、ビットコインは中立的なデジタル資産であり、規制下でも個人間の送金(P2P)は機能してきたと、中国のOTC市場の例をあげて説明した。金より流動性が高く、グローバル資本の受け皿として独自の優位性があることも、価格上昇を後押しする要因となると強調した。
さらに今月初めには、ユーロ圏第2位の経済大国フランスの債務問題が、ビットコインの上昇につながる可能性があると予測している。その背景として、欧州中央銀行(ECB)が、フランスの債務によってユーロが弱体化するのを防ぐために、数兆ユーロ単位の紙幣を増刷すると主張。ユーロの供給量が増加すると、ビットコインや金(ゴールド)に資金の一部が流入するとの考えを示した。
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高市新内閣では、片山さつき元地方創生担当相が財務大臣に起用された。
財務省出身で金融政策に深く関与してきた実績を持つ片山氏だが、仮想通貨規制においても、進行中の金商法移行に関する議論やステーブルコイン規制をはじめとする重要な改革に関与してきた。
同氏は仮想通貨政策に理解を示す立場をとっており、投資家保護のための法改正を主導。キャピタルゲイン税(最大55%)の見直しを主張し、税制改革の必要性を訴えてきた。また、金融のデジタル化においては、ステーブルコインを「電子決済手段」として定義した2023年改正資金決済法の基盤を築いた。
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