ビットコイン上昇鈍化、株との相関崩れる:トレジャリー企業動向と利下げ観測が焦点|仮想NISHI
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨ビットコイン( BTC )は上値の重い推移を続けている。米株価指数や金(ゴールド)が最高値圏に位置している一方で、ビットコインは上昇に伸び悩んでいる。背景には、ビットコイントレジャリー企業の動きが低調であること、ならびに市場内部環境の脆弱さが作用していると考えられる。
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観測期間2カ月の株価指数との相関関係をみると、従来の連動性は明らかに弱まっている(下画像赤枠)。かつて+0.9前後にあった相関係数は、現在S&P500が+0.56、ダウが+0.42に低下し、8月以前に見られた高い相関関係は崩れている。また金(ゴールド)との相関は▲0.11であり、ほぼ無相関の状態となっている。
この相関低下の背景には、大口機関投資家が取引を行うシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)における出来高・建玉(OI)の減少がある(下画像赤矢印)。8月以降、取引活動は鈍化しており、大口投資家による資金流入が後退している。さらに、ストラテジーのS&P500編入見送りなど、主要なビットコイントレジャリー企業の資金調達力が低下し、追加購入余力が縮小している可能性が高い。
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アクティブOIの推移をみると、9月以前には価格下落局面でトレジャリー企業の買い支えが存在した。しかし現在はその動きが見られず、むしろ下落局面においてロングポジションが積み上がることで、価格の戻りが抑制されている(下画像青枠・赤枠)。これが株価指数やゴールドに比してビットコインが弱含む主要因である。
トレジャリー企業の追加購入余力は減退しているものの、大型売却に踏み切る水準には至っていない。また短期ポジションが一巡し、市場内部環境が良好となれば回復の可能性もある。さらに18日に予定されているFOMCでは利下げが予想されており、市場予想通りとなればトレジャリー企業の購入余力が回復しビットコインが再び上昇基調に転じる可能性は高いと考える。
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