仮想通貨相場は調整継続、著名アナリストは警戒感 下押し要因と9月相場の注目点は
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比-1.02%の1BTC=107,640ドルに。
前週比では2.04%安となった。8月に過去最高値の125,000ドル付近まで上昇した後、現在は約13%の調整を継続している。
10万ドルの節目を割り込んだ場合、94,000ドル付近のサポートライン(下値支持線)が意識されており、このラインを維持できるかが焦点の一つとなるか。
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著名アナリストのピーター・ブラント氏は、前週末の大規模なビットコイン売り注文について警鐘を鳴らした。
27日の投稿で、「この売り注文は供給を表しており、軽視すべきではない」との見解を示し、市場の供給圧力の高まりを指摘した。ブラント氏によれば、市場の天井は供給圧力や大口の売り(ディストリビューション)によって形成されるケースが多いという。
ブラント氏のテクニカル分析では、「過去7週間に渡って形成したダブルトップ(天井)の可能性を拒否するためには、117,570ドルを上回る必要がある」との見方を示した。チャート上では、8月上旬の高値から現在にかけて下降チャネルが形成されており、価格は112,210ドルのサポートライン付近で推移している。この水準を下回れば、さらなる下落圧力が強まる可能性が高い。
ここのところ軟調な背景には、米国株式市場が今後2週間で重要な節目を迎えることへの警戒感がある。
米雇用統計やインフレ指標、連邦準備制度理事会の次回金利決定(9月17日)など、主要経済データが相次いで発表される中で、最近の反発相場の持続性が試される局面となるからだ。
7月のFOMC議事要録では、委員らが「雇用と物価の二つの使命に対するリスク」を強調し、インフレ上昇と雇用悪化の両方への懸念を表明した。パウエル議長は9月会合について「事前に決定していない」と明言し、データ依存の姿勢を鮮明にしている。
なお、金融業界では9月が決算期となるファンドが多く、弱気の季節性アノマリーの根拠となっている。
損失ポジションの縮小やポートフォリオのリバランスが進む中で、今年は米国株が大幅にアウトパフォームした結果、多くのポートフォリオで米国株の比重が過度に高まっており、株式市場でのリバランス売りの圧力も予想される。
さらに債券発行の増加が株式市場から流動性を引き離している状況も懸念材料となっている。トルコの政府系ファンドが9月に最大5億ドルのドル建て債券発行を計画しているなど、世界的に債券発行が活発化しており、リスク資産への資金流入を阻害する要因となっているとの見方もあるようだ。
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