仮想通貨ZORAが過去2週間で5倍超高騰 コインベース「Base App」への統合が要因か
トークン発行プロトコル「Zora」の暗号資産(仮想通貨)ZORAの価格が、7月20日以降高騰している。
以下は「CoinGecko」のZORAのチャートで、全期間を表示。本記事執筆時点では0.075ドル付近で推移しており、2週間前との比較で433%(5倍以上)超、前月比で800%(9倍)超上昇している。価格上昇の背景には、コインベースが2週間前に行った次世代アプリ「Base App」の発表があるとの見方が多い。
Zoraのプロトコルは、クリエイターエコノミー向けに提供されている。イーサリアム( ETH )のL2「Base」上で稼働するBase Appの発表では、Zoraを通じて投稿をトークン化し、チップや売上から直接収益を得ることができることが説明された。
Base Appは「Coinbase Wallet」を「エブリシング・アプリ」としてリブランドしたもので、仮想通貨業界では非常に注目度が高い。これまでは無名に近かったとの指摘もあるZoraが注目を集める背景には、仮想通貨業界の大手であるコインベースがソーシャルネットワーク機能を導入しBase Appで提供することがあるようだ。
Zoraの公式サイトによれば、2025年春にローンチされたZORAはコミュニティのミームコインという位置付け。ガバナンスの権利も提供せず、楽しみのみを目的として発行されている。基盤にしているブロックチェーンはBaseで、総供給量は100億ZORAである。
また、仮想通貨分析プラットフォーム「Dune」のデータを見ると、Zora上でトークンの発行数が急増していることも示されている。
以下の画像はDuneのデータで、Baseとソラナのブロックチェーンにおけるプロジェクトごとのトークン発行数を比較。特に7月後半にZora(黒のグラフ)の発行数が増えており、ソラナ上のミームコイン発行プラットフォーム「pump.fun」や「LetsBonk」を超えるようになっていることが注目を集めている。
また、以下の画像はBaseとソラナのトークン発行数の比較。トークンのローンチパッドはソラナの大きなユースケースの1つだが、Zoraの台頭と時期を合わせて、ソラナよりもBaseの方が発行数が多くなっている。
コインベースのConor Groganディレクターは今回の動向を受けて30日に「2023年の初め以来初めてソラナよりも多くのトークンが発行されている」とXでコメントした。
Zoraが今後も継続して発展し続けていけるかには疑問の声もあるが、コインベースを巻き込んだクリエイターエコノミーに注目が集まっている。
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