USDCの運用方法とは?DeFi・CEXで利回りを得るステーブルコイン活用術を解説
USDCは、価格変動リスクを抑えながら利回りを得たい人にとって、最もバランスの取れた運用手段のひとつです。
米ドルに1:1で連動したステーブルコインであるUSDCは、DeFi(分散型金融)やCEX(中央集権型取引所)における「金利収益源」として広く活用されています。特に、相場が不安定な局面では、ボラティリティの影響を受けにくいUSDCの存在感が一層高まります。
本記事では、 USDCの買い方 で紹介した基礎知識を踏まえ、USDCを最大限に活用するための運用方法を解説します。利回りの獲得方法や、リスク管理のポイントまで初心者にもわかりやすくまとめました。
USDCは米ドルと1:1でペッグされたステーブルコインであり、価格の安定性が魅力です。相場のボラティリティを回避しながら安定した利回りを狙えることから、DeFi レンディング や流動性提供(LP)などで積極的に利用されています。
以下では、USDCを使った運用手法の代表例を紹介し、それぞれのメリットや注意点を解説します。
USDCは、その安定性と信頼性から様々な場面で活用されています。ここでは、主に DeFi(分散型金融) とCEX(中央集権型取引所)における具体的なユースケースを見ていきましょう。
代表的なレンディングプロトコルであるAaveやCompoundでは、USDCを預けて(Supply)利息収入を得たり、ETHなどを担保にUSDCを借り入れ(Borrow)したりできます。どちらもメタマスクなどのウォレットと接続し、USDCをデポジットするだけで利用可能です。
借入を行う場合は担保価値の下落やUSDCのペッグ崩れに注意が必要です。担保率を大きく割ると強制清算のリスクが高まるため、借入余力に余裕をもった運用を心がけましょう。
分散型取引所(DEX)では、自分の資産をプールに預け入れることで「流動性提供(Liquidity Providing)」を行い、取引が行われた際の手数料の一部を報酬として受け取ることができます。
これは、銀行の預金のように資産を預けることで利子を受け取るイメージに近いですが、ブロックチェーン上の自動マーケットメーカー(AMM)方式を活用している点が大きな特徴です。
このように流動性を提供すると、ユーザー同士の交換(スワップ)がスムーズに行われ、提供者は手数料収益を得るチャンスがあります。ただし、気をつけたいのがインパーマネントロス(IL)です。
これは、預けたペアの一方が大きく値上がりしたり下落したりした場合に、単に保有していた場合より最終的な資産額が減る可能性がある現象です。しかし、USDCのように価格変動が抑えられたステーブルコインと組み合わせることで、インパーマネントロスが小さくなるメリットもあります。なお、例外もあるため詳しくはリスクパートにまとめます。
Uniswap
では、
USDC-ETH
や
USDC-USDT
などのペアに流動性を提供し、スワップ手数料の一部を報酬として受け取れます。PEPEなどのボラティリティが高いミームコインとのペアの場合は特にインパーマネントロスに留意しましょう。
一方、ステーブルコイン同士のペアは価格変動が比較的小さく、リスクを抑えやすいのが特徴です。
Curveはステーブルコインに特化したDEXで、
USDC
を含む複数のステーブルコインプールを運用しています。通常の通貨ペアに比べて価格変動が少ない分、インパーマネントロスのリスクを抑えつつ利回りを得やすい点が人気です。そのため、特に保守的に資産を増やしたいユーザーに向いています。
海外を中心に、多くの中央集権型取引所(CEX)で、USDCの取り扱いが増えていますが、米大手取引所のCoinbaseは、さらに踏み込んだ新機能を提供しています。
Coinbase Wallet内にUSDCを保有するだけで報酬を得られる「USDCリワード(USDC Rewards)」というサービスです。
Coinbase WalletにUSDCを保有しているだけで、おおよそ年率4.7%(時期によって変動)の報酬を毎月ベースチェーンのウォレットアドレスにUSDCで受け取れる仕組みとなっています。
この仕組みは、Coinbaseが保有したUSDCを機関投資家やマーケットメイカーへの貸し付け、または国債などの安全資産で運用することで得られる利息をユーザーへ還元していると考えられます。具体的な運用先は公開されていませんが、一般的には取引所が独自に保有するリスク管理フレームワークの中で調整していることが多いです。
国内ではまだUSDC上場事例がありませんが、SBI VCトレードが2025年3月12日に取り扱いを開始予定。利用できるサービスも随時拡大していく方針です。
〈国内では SBI VCトレードが唯一USDCを取扱い 。口座開設とKYC(本人確認)まで済ませておくのがおすすめ。便利な機能やキャンペーン実施時に、すぐに参加できる態勢を整えておきましょう。〉
ここでは、実際にUSDCを手に入れて運用する方法や、ウォレット選びなどのポイントに絞って解説します。
USDCを利用するには、まず対応チェーンに合ったウォレットを準備しましょう。
EVMチェーン(例:Ethereum、Polygon、Baseなど)の場合はMetaMask、SolanaチェーンならPhantomが定番です。
もし「すでに他チェーンの資産しかない」という場合は、ブリッジを使ってUSDCが流通しているチェーンへ移動できます。たとえば「ETHしか持っていないけれど、Arbitrumの安いガス代で取引したい」といったときに活用可能です。
ウォレットの作成・初期設定やセキュリティ面での注意点などは、以下のガイドを参考に手順をしっかり確認しましょう。
関連: メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換:スワップ、便利機能を図解で簡単に
関連: Phantomウォレット使い方、ソラナのステーキングやエアドロップ参加、DEX利用方法
現状、国内取引所に上場されていないため、USDCを手に入れるには海外CEXや
DEX(分散型取引所)
での交換がメインルートです。
以下では、イーサリアム上のUniswapを例に簡単な手順を紹介します。
チェーンによってはガス代が高くなる場合もあるため、ArbitrumやPolygonなどのレイヤー2チェーンを利用し、ブリッジを経由することで費用を抑えられるケースもあります。
いずれにしても、ウォレットの管理や送金先の確認は慎重に行い、少額でテストしてから本格的に取引を始めるのがおすすめです。
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USDC(USD Coin)は、2018年にCircle社とCoinbase社の共同プロジェクトから誕生しました。
米ドルと1:1でペッグされるステーブルコインとして、約80%の短期米国債+約20%の現金預金による裏付け資産を持ち、毎月第三者機関による監査を実施するなど、透明性の高さで信頼を集めています。
2025年2月時点での時価総額は約560億ドルで、USDTに次ぐ第2位です。ただし、DeFiでの活用度合いを示すスマートコントラクト上のロック率は約20%と高く、約11.5%のUSDTと比較しても採用が拡大しているのが特徴的です。
USDCは当初イーサリアム(ERC-20)トークンのみでしたが、2025年2月現在は18以上のブロックチェーンで公式サポートされています。下表の通り、ソラナやイーサリアム上の流通量が最も多く、アービトラム、Baseなど、主要L2チェーンにも数十億ドル単位で流通しています。
Circle社が直接発行する「ネイティブUSDC」は、サードパーティブリッジでのラップ(包化)を経ない公式のトークンです。
マルチチェーン間の移動には、Cross-Chain Transfer Protocol(CCTP)が利用可能で、送信元チェーンでUSDCをバーン→送信先チェーンで同量をミントする仕組みにより、ブリッジにありがちなハッキングリスクを軽減します。
USDCとUSDTはいずれも米ドルペッグのステーブルコインですが、透明性や準備金の構成、規制対応などで異なります。
USDTは時価総額こそ最大なものの、DeFiでのロック率や機関投資家からの信頼性では、USDCがより評価されている傾向があります。
USDCは引き続きDeFiでの需要が拡大し、実世界資産(RWA)との連携やさらに多くのブロックチェーン対応も見込まれています。
国際送金や決済手段としても認知度が高まっており、将来的には従来の銀行システムを補完・代替する存在へと発展する可能性があります。
引き続き、裏付け資産の透明性やセキュリティ対策を維持しながら、より幅広いユースケースをカバーしていくと予想されます。
〈SBI VCトレードでの取扱いに備え、口座開設とKYC(本人確認)まで済ませておくのがおすすめです。取引開始時やキャンペーン実施時に、すぐに参加できる態勢を整えておきましょう。〉
USDCを利用する際には、いくつかの重要なリスク要因や注意点を理解しておく必要があります。適切なリスク管理を行うことで、より安全にUSDCを活用することができます。
USDCは価格が安定しているステーブルコインですが、ボラティリティの高い通貨(いわゆる“草コイン”)とペアを組んで流動性を提供する場合、インパーマネントロスが発生する可能性があります。
具体的には、価格が急騰した通貨を単純に保有していた場合よりも、「プールに預け入れたがゆえにUSDCが増え、値上がりした通貨が減る」形で機会損失が起きることがあります。逆に、通貨が暴落すると今度は通貨の比率が増えてUSDCが減るため、含み損が拡大しやすい一面もあります。これらは自動マーケットメーカー(AMM)の特性上避けられないリスクと言えます。
インパーマネントロスを抑えたい場合は、ステーブルコイン同士(USDC-USDTなど)のペアで流動性提供を検討するか、非常に小額から始めるといった工夫が有効です。
いずれにしても、運用先プロトコルの安全性とペアとなるトークンのボラティリティをよく理解したうえで、リスク許容度に合った投資判断を行いましょう。
USDCは分散型技術であるブロックチェーン上で動作していますが、その発行と管理は中央集権的な側面も持ち合わせています。
このような中央集権性は、規制対応という観点ではメリットがある一方、検閲耐性や完全な自己管理を重視する暗号資産のユーザーからは批判の対象となることもあります。
ステーブルコインに対する規制環境は世界的に発展途上であり、将来的な規制変更がUSDCに影響を与える可能性があります。
Circle社はこれらの規制リスクに対応するため、積極的に規制当局とのコミュニケーションを図り、法令遵守体制の強化を進めています。
同社はニューヨーク州のBitLicenseを取得するなど、規制対応に先進的な姿勢を見せています。
USDCを保管・利用する際のセキュリティ対策として、ウォレット管理とスマートコントラクト利用の両面に注意が必要です。
ウォレットセキュリティでは、シードフレーズを物理的に安全な場所に保管し、大量の資産保有時にはLedgerやTrezorなどのハードウェアウォレットの使用を検討しましょう。
また、不審なサイトへのウォレット接続は避け、資産は複数のウォレットに分散して保管することが賢明です。
DeFiなどでスマートコントラクトを利用する場合は、利用するプロトコルの監査状況を事前に確認し、新しいプロジェクトには少額から取り組むべきです。
TVL(総預かり高)が高く、長期間安定して運用されているプロトコルを優先的に選ぶことで、リスクを軽減できます。
USDCは着実に市場シェアを拡大し、透明性や規制対応に定評があります。今後はDeFiへのさらなる浸透や、法整備の進展による国内の仮想通貨取引所での取り扱い増加が期待されています。国内取引所での正式上場が実現すれば、より多くのユーザーが簡単にUSDCを手に入れられるようになるでしょう。
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