セキュリティ企業のビットディフェンダーは4日、バイナンスのハッキングに便乗したフィッシングメール2種類を確認したと公表した。うち1種類は日本を含む5カ国の受信者を標的に、補償を装ってビットコインの先払いを求めている。
背景には、10月30日未明(日本時間)に確認されたバイナンスグローバルのハッキングで、1兆円相当の暗号資産が流出したと推定される事案がある。FBIは北朝鮮系の攻撃者グループ「トレーダートレイター(TraderTraitor)」によるものと公表しており、バイナンスは基金と準備金で顧客の損失を補償する方針を示した。
1つ目のメールは「照合窓口」を名乗り、受信者のビットコインアドレスがハッキング後の照合リストで「未請求」になっていると通知し、固定量のビットコインを補償として受け取るには0.0042BTCのビットコインの手数料を先に送るよう求める。手数料は返金されると記載されているが、ビットディフェンダーは返金の兆候はないとみている。
2つ目はウォレットサービスのトラストウォレットを装うメールで、米国・英国・オーストラリア・アイルランド・南アフリカの受信者が標的になった。11月7日を過ぎると未確認のアカウントを停止するとして、ボタンからウォレットアドレスの確認を求めており、いずれのメールにもバイナンスとトラストウォレットは関与していないという。
一方、バイナンスジャパンは5日、同事案を受けて停止していた暗号資産の出庫サービスが順次再開されたと報告した。前日の報告時点からGRT・MANA・POL・SANDが全面再開、CYBERとLPTが一部再開となり、出庫できるのはビットコイン、イーサリアム、XRPを含む全面再開21銘柄と一部再開6銘柄で、入庫・取引・法定通貨の入出金は通常どおり稼働している。

