米下院民主党が、同党のマキシン・ウォーターズ下院議員が2025年にクラリティー法案へ提出した修正案「仮想通貨投資家・消費者権利章典」を、次の議会で仮想通貨市場構造法案に拡大する案を協議している。米仮想通貨政策記者のエレノア・テレット氏が5日、民主党スタッフと話した業界関係者3人の話としてXで伝えた。
市場構造法案とは、仮想通貨市場のルールと規制当局の所管を定める法案の総称で、クラリティー法案もその一つだ。共和党主導で2025年7月に下院を通過した同法案は、対象となる仮想通貨の現物市場を米商品先物取引委員会(CFTC)、証券や投資契約を米証券取引委員会(SEC)が規制する設計になっている。
この案は、共和党主導のクラリティー法案とは別に、民主党が次の議会に向けて新たな市場構造法案を示すものだ。
ウォーターズ下院議員は2025年の下院審議で民主党案の条項を示したものの、採用されなかった。また、クラリティー法案は9月の上院採決でも、賛成49・反対50と審議入りに必要な60票に届かなかった。
協議中の構想は、こうした不採用となった民主党案の条項に加え、9月の採決前に上院民主党が共和党と合意していた条項を取り込む内容だ。検討中の案には、SECに仮想通貨市場の監督権限でより大きな役割を持たせ、CFTCの役割を限定する内容が含まれるとされる。
また、トランプ大統領ら連邦政府高官の仮想通貨関連の活動を制限する倫理条項が、追加される可能性が高いという。共和党は、これを政治的な主張を示すための「メッセージング法案」と指摘している。
協議が伝えられた5日時点で、民主党は米中間選挙で上院54議席(改選前47議席)、下院225議席(同214議席)を確保し、両院で多数派となって議会を奪還した。ロイター通信などが報じた。
選挙戦では、業界が今回の選挙サイクルで1億7,000万ドル超を投じたが、上院銀行委員会の元委員長で業界に懐疑的な民主党のシェロッド・ブラウン氏がオハイオ州の上院選で当選した。6,400万ドル超の業界支出でも同氏の当選を阻止できず、仮想通貨に前向きな共和党の下院議員3人も議席を失った。
議会の主導権が移り、仮想通貨関連法案を扱う上院銀行委員会と下院金融サービス委員会では、共和党の委員長が少数党の筆頭委員に回り、業界に批判的な民主党議員が委員長に就く見通しだ。クラリティー法案が現行の形で成立する可能性はゼロに近いとされ、トランプ政権と業界の関係への調査も強まると見込まれている。
なお、現議会が会期末を迎える来年1月3日までに成立しなかった法案は、次の議会で再提出する必要がある。

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