フランス上院は27日、国際基準「CARF(暗号資産等報告枠組み)」に合意する法案を可決した。次は国民議会(下院)での審議へと進む予定だ。
CARFはOECD(経済協力開発機構)が2022年に策定した国際基準で、暗号資産(仮想通貨)を利用した国際的な脱税・租税回避を防止することを目的としている。各国の取引業者が非居住者の取引情報を自国の税務当局に報告し、その情報を居住地国の税務当局と自動的に交換する仕組みだ。
2026年3月時点で、CARFに関する多国間協定には56の国・地域が署名している。法案が成立した場合、フランスは2026年に収集したデータを2027年から他国の当局と交換し始める見込みだ。なお、日本では2026年1月1日より施行されている。
CARFの下、仮想通貨サービスプロバイダーはユーザーや取引に関するデータを収集し、フランスの税務当局がそれを整理して提携する国・地域へ共有することになる。
報告対象となるデータは、ステーブルコインなども含め、EUの仮想通貨市場規制(MiCA)で定義されるトークンを網羅する。
また、OECD(経済協力開発機構)による各国の税務当局の情報交換枠組み「CRS(共通報告基準)」の補足規定により、特定の電子マネー商品、一部の中央銀行デジタル通貨(CBDC)、デリバティブやファンドを通じた間接的な仮想通貨へのエクスポージャーも対象だ。
フランスではEUの行政協力指令(DAC8)により、すでに仮想通貨サービスプロバイダーは顧客の身元情報と取引データを税務当局に報告することが義務付けられており、当局はこの情報を各ユーザーの居住するEU加盟国の当局と共有しているところだ。
DAC8はCARFを同等の基準として認めており、EU域外のプロバイダーが、自国ですでにCARFに基づいて報告を行っている場合、原則としてフランスの税務当局に対して直接報告を行う必要はない。
フランスの国民議会では今月16日、仮想通貨をMiCAに準拠したステーブルコインへ交換する場合について、キャピタルゲイン課税の繰り延べ措置を廃止する2027年度予算案の修正案を賛成38、反対37の僅差で可決した。
今後上院での審議なども必要だが、成立した場合は仮想通貨を特定のステーブルコインに交換した時点で、法定通貨に換金していなくても、生じた利益に31.4%の税率が適用されるようになる。
なお、オンチェーン分析企業チェイナリシスのフランス部門責任者であるフランソワ・ヴォルポエ氏は、規制対象ステーブルコインへの換金に課税することで、投資家がより規制の緩いソリューションを求めるようになる可能性があると警告している。
投資家が、EU域外に拠点を置くプラットフォーム、分散型プロトコル、あるいは他の形式のデジタル資産を選択する可能性があり、フランス当局による監視がより困難になる可能性があると指摘した。
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