日本経済新聞は30日、三井住友フィナンシャルグループ(FG)とSBIホールディングス(HD)がステーブルコインを活用したサービスの開発に向けて資本業務提携すると報じた。三井住友FGが、SBIHDとシンガポールのスターテイルグループの合弁会社「SBIスターテイルマーケティング」に5%を近く出資する。
報道によると、三井住友FGの顧客が資産運用や決済でステーブルコインを使えるようにする狙いがある。日常の決済など金融サービスでの利用拡大を重視し、三井住友銀行の2,400万人の個人顧客基盤を通じてJPYSCの流通を後押しする。将来は、ブロックチェーン上で取引される金融商品の売買や即時決済にJPYSCを使うことも検討するという。
三井住友銀行は3メガバンクによるステーブルコインの共同発行も進めており、日経はこちらを貿易決済などでの利用を想定したものと伝えている。すでにJPYSCを発行しているSBIグループとも組むことで、用途に応じて幅広くステーブルコインを活用できる立場を得るとの見方を示した。
両グループはこれまでリテール分野で協業してきた。2022年6月に包括的な資本業務提携を結び、7月には三井住友FGがSBIHDの第三者割当増資を引き受けて株式の約1割を取得した。2025年には両グループの共同出資で、個人向けの資産運用相談を手がけるOliveコンサルティングを設立している。日経によると、ステーブルコインの実用化でリテール分野でも利用が広がるとみて、協業の範囲を広げる。
SBIHDとスターテイルは2025年8月22日、トークン化株式や現実資産(RWA)の取引基盤を共同開発するため、合弁会社を設立すると発表した。トークン化株式とは、株式の権利をブロックチェーン上のトークンとして発行・移転する仕組みで、24時間の取引や少額単位での保有がしやすくなる。発表では、中核技術の開発を担う会社と、ブランド・事業拡大戦略を担う会社の2社を合弁で設けるとしていた。
資本関係はその後に深まった。SBIHDは2026年3月26日、傘下の子会社を通じてスターテイルに約5,000万ドルを出資し、持分法適用関連会社とする予定と発表している。両社はレイヤー1ブロックチェーン「Strium」と円建てステーブルコイン「JPYSC」を共同開発してきた。スターテイルはソニーグループとブロックチェーン「Soneium」も共同開発している。
JPYSCは信託型の3号電子決済手段として、SBI新生信託銀行が2026年6月に発行を始めた。流通はSBI VCトレードが担う。SBIHDなどは29日、SBI新生信託銀行がSBIクリアリング信託を12月31日付で吸収合併する予定と発表したばかりだ。合併は当局の認可が前提となる。信託・カストディ業務の知見を同行に集約し、グループの「デジタル金融領域の中核」として強化する。
三井住友銀行とSBI VCトレードは2025年8月22日、国内でのステーブルコイン流通と利活用を共同検討する基本合意を結んだ。三井住友銀行が発行体、SBI VCトレードが電子決済手段等取引業者として流通を担う役割分担を示していた。
メガバンク3行による信託型ステーブルコインの共同発行にも、三井住友銀行は三菱UFJ銀行、みずほ銀行とともに加わる。3行は2026年6月10日、2026年度中の実取引開始を目指すと発表した。10月16日には、三菱UFJ信託銀行を受託者として7月17日から23日まで実施した実証実験の結果を公表している。三菱商事の国内外拠点間の決済を対象とした実証で、三井住友銀行はTISIに委託して構築したブロックチェーン基盤を参加各社に提供した。
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