米決済大手ビザは米国時間27日、2026年度第4四半期(7月から9月)の決算説明会を開いた。ステーブルコインによる精算額は年換算で250億ドル(約3.9兆円、1ドル=157.83円で計算)を超え、前年同期の10倍に拡大した。精算に対応するブロックチェーンは前年の2倍超となる10に増え、全5地域で展開している。
精算に使える銘柄は USDC 、USDG、EURC、PYUSD、SBCの5種類。ライアン・マキナニー(Ryan McInerney)CEOは、顧客ごとにニーズが異なるため、特定のステーブルコインやブロックチェーンに依存しない方針だと説明した。
ビザは自社ネットワークのオンチェーン化を進めており、法定通貨とステーブルコイン、トークン化預金を1つのネットワークで扱う構想を掲げる。ブロックチェーン層では、サークルが開発する「Arc」の創設バリデーターに招かれた。テンポのバリデーター、カントン(Canton)のスーパーバリデーターに続く役割となる。
発行層では、ビザも参加するコンソーシアムのステーブルコイン「Open USD(OUSD)」が9月30日に稼働し、10月15日までに流通量が8億ドル(約1,260億円)を超えた。
送金基盤のビザ・ダイレクトでは、国際送金の資金をステーブルコインで事前に用意する機能を商用化した。最初の提携先は米決済インフラ企業のインヨ・グローバル(Inyo Global)。まずUSDCから始め、OUSDなど他の銘柄も順次加える。「Visa Stablecoin Platform」は米国やメキシコ、英国など6つの国・地域で利用でき、導入を検討する提携候補は300社を超える。
ステーブルコイン連動カードのプログラムは225超と、前年比で70%以上増えた。50超の国で500万枚が発行され、決済額は2.5倍超に伸びた。発行体には仮想通貨取引所やネオバンクが名を連ねる。欧州ではNorwegian Block Exchange(NBX)と組み、ビザが世界初とするステーブルコイン連動の「Visa Flex Credential」を近く始める。
決算全体では、第4四半期の純収益が前年同期比13%増の121億ドル(約1.9兆円)、非GAAPベース(一時的な項目を除いた調整後の指標)の1株利益(EPS)は17%増の3.48ドル(約549円)だった。2026年度通期の純収益は15%増の約460億ドル(7兆円超)で過去最高を更新した。
コロナ禍後の回復期と買収の影響を除けば、15年超で最も高い伸び率だという。付加価値サービス(VAS)の収益は為替一定ベースで30%増の140億ドル(約2.2兆円)と、2023年度のほぼ2倍に達した。
AIエージェントが利用者に代わって決済する「エージェント型コマース」では、ショッピファイの「Shop Pay」を含む約50のAI関連パートナーが稼働中で、数カ月で倍増を見込む。マキナニー氏は、現時点の取引は事業全体から見ればごく小規模で、まだ初期段階にあると述べた。また、利用者と取引の安全性を担保する役割を強調し、「信頼はビザの次の成長軸だ」と語った。
中国本土では、中国人民銀行から国内決済処理の準備に向けた申請の承認を得た。2027年度は、調整後ベースで純収益が2桁台前半、EPSが2桁台前半から10%台前半の伸びを計画する。決済額の約25%が契約更新を迎え、2026年度の約20%から増える。

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