米国の証券決済・清算を担う中央機関DTCC傘下のDTCは28日、「DTCCトークン化サービス(DTCC Tokenization Service:DTS)」を開始した。
トークン化証券を規制下の金融市場にもたらすものであり、投資家は資産をより効率的に移動させ、新たな流動性プールにアクセスし、担保を数分単位で活用することが可能になる。
DTCCのフランク・ラ・サラ社長兼CEOは次のようにコメントした。
ユーザーは、従来の証券とそのトークン化された形式の間で相互変換可能な証券の権利を保有し、それらをデジタルウォレットに受け取ることが可能だ。トークン化証券では、従来の証券が持つ所有権、投資家保護、経済的権利がそのまま維持される。
すでに、バンクオブアメリカ、BNPパリバ、シティ、フィデリティインベストメンツ、JPモルガン、モルガンスタンレー、UBS、ベロシティキャピタルを含む20社が、このサービスを利用するための契約を締結している。今後、ユーザー企業は順次追加されていく見込みだ。
DTSは、マルチネットワークかつ相互運用可能なモデルを採用しており、企業が従来型市場とトークン化市場の間で資産を円滑に変換・展開できるようにする。DTCCは、ユーザーは従来型市場における流動性を維持しつつ、トークン化サービスを通じて流動性をさらに拡大することができると述べた。
このサービスは現在、カントンネットワーク(Canton Network)およびDTCCのプライベートネットワーク(Hyperledger Besu基盤)で展開されており、2027年にはさらなるブロックチェーン・ネットワークが追加される予定だ。
DTSは開発の上で、潜在的なサービス利用者である業界と緊密に連携していた。「DTCデジタル資産ソリューション・インダストリー・ワーキング・グループ」に参加する150社以上の企業からの意見を取り入れた格好だ。これに基づき、機関投資家レベルの管理体制、ガバナンス、運用上のセーフガードを導入しているとされる。
今回のDTSサービスに関して、DTCCは昨年12月、米証券取引委員会(SEC)から無措置書簡を取得していた。書簡は、DTCが承認されたブロックチェーン上でDTC参加者とその顧客向けにトークン化サービスを3年間提供することを認めるものだ。
ラッセル1000指数構成銘柄(時価総額上位1,000社の米国上場企業)、主要指数に連動する上場投資信託(ETF)、および米国債のトークン化が対象として認められている。
SECは3月、証券取引所大手ナスダックによるトークン化決済を可能にする規則変更も承認していた。こちらも、初期段階では、ラッセル1000指数の銘柄、S&P 500やナスダック100指数に連動する主要なETFに限定して運用される。SECは、暗号資産(仮想通貨)系のプラットフォームを対象にしたイノベーション枠組みも提供しているところだ。


