SBIホールディングスは28日、米クロスリバー銀行(Cross River Bank)を傘下に持つCRBグループ(CRB Group)と戦略的業務提携を結び、日本での合弁会社設立に向けた基本合意書を締結したと発表した。SBIはCRBグループへの戦略的出資も行う予定だ。
合弁会社は日本とアジア太平洋地域の顧客を対象に事業を検討する。柱は、融資債権を含む現実資産(RWA)をトークン化した商品の開発・組成・販売、両社の銀行・決済基盤を使ったクロスボーダー決済、AIエージェントが行う取引に対応した決済基盤の3分野だ。いずれも最終契約の締結と日米当局の許認可取得が前提で、出資額や設立時期は明らかにしていない。
クロスリバーが手がけるのは組込型金融(エンベデッド・ファイナンス)と呼ばれる領域だ。銀行以外の企業が自社のアプリやサービスに口座・決済・融資といった金融機能を組み込めるよう、裏側の銀行インフラを提供する。AIエージェントが人に代わって購入や支払いを行う「エージェンティックコマース」も、同社が対応を進める分野の一つ。
2008年創業の同社は、口座やカード、決済、融資に加え、デジタル資産の分野でも金融インフラを提供している。2026年には、米国のソーシャルメディア上で初となる個人間送金サービスの立ち上げを支えた。
合弁とは別に、両社は信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」をクロスリバーのプラットフォームに組み込む方針を示した。機関投資家向けの取引やクロスボーダー取引、トークン化資産の取引で決済手段として使う想定だ。JPYSCはSBIがスターテイルグループと共同開発し、SBI新生信託銀行が発行する。SBIは国内初の信託型円建てステーブルコインと位置づける。
SBIグループの販売網と銀行基盤を活用し、クロスリバーの組込型の銀行・決済サービスを日本とアジア太平洋地域の個人・企業に届けることも検討する。SBIグループ各社が扱うオンチェーン金融商品を、クロスリバーのプラットフォーム経由で提供する案も盛り込んだ。
資産運用でも連携を探る。プライベートクレジットや仕組み商品に特化したクロスリバー関連の新たな資産運用ビークルに、SBIがアンカー投資家として参画する可能性も検討するという。
SBIグループは国内のSBI VCトレードやシンガポールのCoinhakoなど、各国で仮想通貨取引所を運営している。SBIとスターテイルは、ドル建てステーブルコインOUSDを推進する連合オープンスタンダードへの参画も発表しており、JPYSCとOUSDの連携に向けた実証実験を検討している。

.jpg)
