オンチェーン分析企業クリプトクアントは22日、仮想通貨市場週間レポートを発表した。AI(人工知能)事業へと軸足を移した上場ビットコインマイニング企業5社による合計ビットコイン採掘量は前年比47%減少したと指摘した。
一方で、ビットコイン・ネットワーク全体の30日平均ハッシュレート(計算能力)は、ピークから8.8%下の水準まで回復している。
主要マイニング企業10社の直近2週間の日次産出量は約91 BTCで、第1四半期(1~3月期)の約114 BTCから20%減っている。月次のビットコイン採掘量も5月以降、毎月減少を続けている状況だ。
AI事業への転換を進めるIREN、コアサイエンティフィック、ビットファームズ、テラウルフ、サイファーの5社の減少分の影響が大きい。今年1月1日から10月19日までの期間に5社は7,075 BTCを採掘した。前年同期の13,263 BTCから5割近く減少している。
このうちIREN、コアサイエンティフィック、テラウルフは、マイニング拠点のAI関連のテナント向け施設への転換を進めているところだ。
ビットファームズは6月、収益性を理由に米国内のすべてのマイニング事業を停止した。5社が発表したAI・HPC(高性能コンピューティング)関連のリース契約は合計500億ドル(約8兆円)を超えている。
一方で、以上の5社以外では、合計BTC採掘量が増えた。MARA、クリーンスパーク、ライオット、ハイブ、アメリカンビットコインの5社は、合計採掘量を20,085 BTCから23,306 BTCへと16%増やしている。これにより、10社全体での減少は8.9%にとどまった格好だ。
上場マイナー勢におけるビットコイン採掘量はMARA、クリーンスパーク、ライオットの3社に集中し、これらの企業によるシェアは10社の採掘量合計のうち1~3月期の53%から直近2週間で69%へ上昇している。
クリプトクアントは、大手マイナーによる採掘量が全体で減る中、ビットコイン・ネットワークへのハッシュレートが維持されている背景についても分析した。
まず、CoinSharesによると、2026年4~6月期における上場マイニング企業の1BTCあたりのコストは約75,500ドルに達する一方、BTC価格は58,400ドルで採算が合わない状況だった。収益圧迫により、効率性の低い上場マイナー群はAI関連事業に舵を切ることになった。
これにより、CoinSharesは35 EH/s(エクサハッシュ/秒)以上が上場マイナーのハッシュレートから脱落すると推定している。
一方で、8月6日以降、ネットワーク全体では約105 EH/sが新たに加わった。クリプトクアントは、民間事業者、国家系事業者、米国外の事業者が運用する新世代のマイニング機器による採掘が、抜けた分に取って代わっているとの見方を示している。
その結果、上場マイナーの占めるシェアが縮小する中、ハッシュレートは回復傾向にある。過去最大だったのは2025年11月11日の1,101 EH/sである。その後2026年8月6日には899 EH/sまで落ち込み、下落率はピークから18.3%となったが、現在(20日時点)で1,004 EH/sと、ピークから8.8%以内の水準まで回復した。
クリプトクアントのキ・ヨンジュCEOは、「ハッシュレートの上昇は、ネットワークのセキュリティの強化を意味するほか、ビットコインの価値の保存手段としてのファンダメンタルズが向上していることを示唆するものだ」と見解を述べている。
.jpg)

