SBIホールディングスとシンガポールのスターテイル・グループ(Startale Group)は16日、米ドル建てステーブルコイン「オープンUSD(OUSD)」の提供・普及を進めるオープンスタンダード(Open Standard)に参画したと発表した。オープンスタンダードにはビザ(Visa)やストライプ(Stripe)、ブラックロック、コインベースなど140社を超える企業が参加している。
両社はあわせて、SBI新生信託銀行が発行する円建ての信託型ステーブルコイン「JPYSC」とOUSDの相互運用に向けた実証実験を検討する。円と米ドルの間の決済を速く、効率的にする狙いだ。今回の発表は検討段階のもので、新たなサービスの提供や本番環境での決済・取引の開始を意味しないと両社は明記した。
両社が背景に挙げるのは、米国でのジーニアス法(ステーブルコインの発行・準備資産のルールを定めた連邦法)成立を機に進むオンチェーン金融インフラの整備だ。2026年7月には、SBIグローバルアセットマネジメントとシンガポールのDigiFT、スターテイルの3社が、JPYSCの活用を見据えたトークン化証券の決済・分配金支払いに関するテストネットでの技術検証(PoC)を発表している。
オープンスタンダードは2026年に設立された企業で、コインベースとマスターカード(Mastercard)、ショッピファイ(Shopify)、ストライプ、ビザの5社が創設パートナーを務める。低い手数料に加え、参加企業への収益還元や、各社の意見を運営に反映する仕組みを特徴とする。自社のプラットフォームへのOUSD導入に向けて参画する金融機関やフィンテック企業は、6月の構想公表時の140社超から200社超に増えた。
OUSDの構想は6月に公表され、9月30日にローンチした。発行体はストライプ傘下のブリッジ(Bridge)。ベース、イーサリアム、ソラナ、テンポの4チェーンに対応する。
SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は、同グループが構築を目指す「SBI APACデジタル経済圏」において、円建てと米ドル建てのステーブルコインを円滑に交換できる環境は不可欠だとした。今回の参画と実証実験の検討は、その実現に向けた「重要な一歩」と位置づける。同氏は、米ドル建てステーブルコインの USDC とRLUSDを国内で初めて取り扱った同グループの実績にも触れた。
スターテイルの渡辺創太CEOは、JPYSCとOUSDをオンチェーン上で交換・活用できる環境が広がれば、円ドル決済の効率化だけでなく幅広い金融サービスへの活用につながるとの考えを示した。両社は関係法令を踏まえながら、オープンスタンダードの参加企業と具体的なユースケースを検討するとしている。
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