米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は7日、リップル社のプライムブローカレッジ部門「リップル・プライム」が、レバレッジETF向けの資金供給で存在感を高めていると報じた。大手銀行が長く担ってきた分野だ。同部門はすでに複数のETF発行体と取引しており、ヘッジファンドなど他の運用会社にも顧客を広げる方針という。
レバレッジETFは、株価指数や個別株の1日の値動きに対し、2倍や3倍の成果をめざす上場投資信託。多くはトータルリターンスワップと呼ばれるデリバティブ契約で倍率を実現しており、契約の相手方となる金融機関が実質的にファンドへ資金を供給する。米国のレバレッジETFは593本、運用資産は2,560億ドルを超える。
リップル・プライムは8月27日、米上場株や株価指数、デジタル資産を対象にトータルリターンスワップを提供するデルタワン事業を始めた。原資産を保有せずに値動きのリターンを得られる取引で、規制上の純資本として10億ドル超を確保したという。同社は、清算と資金供給の業務に特化している点が、マーケットメイクや自己勘定取引を併営する既存のデルタワン部門との違いだと説明している。
10月6日には、運用資産約350億ドルのヘッジファンド大手ブレバン・ハワードとの契約拡大を発表した。伝統資産とデジタル資産の双方で、清算を含むプライムブローカレッジと融資を提供する。同社の関連ファンドは、2025年にリップル社が実施した5億ドルの戦略投資にも参加していた。
事業拡大を支えているのが、借入による資金調達だ。5月11日に米運用会社ニューバーガーのファンドから最大2億ドルの融資枠を確保し、8月18日には当初の予定から増額した2億7500万ドルの優先無担保債を私募で発行した。融資枠の上限と社債を合わせると、最大4億7,500万ドルになる。この社債は、米格付け会社KBRAから投資適格の「BBB」格を取得した。
リップル社は2025年、プライムブローカーのヒドゥン・ロード(Hidden Road)を12億5,000万ドルで買収して同部門を立ち上げた。5月の発表によると、買収以降の売上高は前年比で3倍に伸びている。

