香港上海銀行(HSBC香港)は30日、香港ドル建てステーブルコインの名称を「HSBC RedCoin」に決めたと発表した。2026年後半に、決済アプリ「PayMe」と同行の香港向けモバイルバンキングアプリで提供を始める。
発行の根拠は、香港金融管理局(HKMA)が4月に交付したステーブルコイン発行ライセンスだ。香港では2025年8月にステーブルコイン条例が施行され、法定通貨建てステーブルコインの発行にはHKMAの免許が必要になった。第1陣の免許はHSBCと、スタンダードチャータード銀行系の合弁会社に交付された。
最初に対応するのは、個人間送金(P2P)と加盟店での支払い(P2M)だ。その後、法人・機関向けのホールセール用途へ広げる。提供開始時点ではPayMeと同行アプリに限る点も特徴で、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、PayMeの利用者は約330万人にのぼる。
HSBC香港のマギー・ン(Maggie Ng)最高経営責任者(CEO)は「コインのローンチは始まりにすぎない。HSBCを特徴づける安全性、信頼、シンプルさを土台に、香港の金融イノベーションを支えることが目標だ」と述べた。
同行が6月に顧客1,060人を対象に実施した調査では、74%が少なくとも1つのステーブルコインの用途を認識していた。用途別では、デジタル資産取引やトークン化投資が57%で最も多かった。個人間送金が53%、国際送金と店舗決済がそれぞれ52%で続く。
信頼を高める要素としては、62%が規制の明確化を、55%が教育の充実を挙げた。HSBCは詐欺対策や償還の仕組みを解説するコンテンツを、アプリやウェブサイト、SNSで公開する予定だ。
HSBCは現時点でステーブルコインを発行しておらず、同行を名乗る偽のステーブルコインへの注意も呼びかけている。


