ソラナ( SOL )のバリデーターは28日、ネットワーク初となる拘束力のあるオンチェーンガバナンス投票を締め切り、年間のディスインフレ(トークン発行抑制)率を15%から30%へ倍増させる提案「SGP-0002」を可決した。トークン発行量が下限の1.5%に到達する時期は、従来の2032年から2029年へ前倒しされる。
投票は最終盤までもつれ、可決に必要な66.67%の基準に対し、賛成票は1億7,629万SOLのソラナ、反対票は6,619万SOLのソラナとなり、僅差の67.0%で成立した。
仮想通貨取引所クラーケンの大型バリデーターは投票期間中反対の立場を取っていたが、締め切り直前に保有ステークの大半を賛成へ振り替え、可決を後押しした。一方、同社の小型バリデーターは反対のまま残った。
同時に行われたほかの投票では、将来のガバナンス手続きを定める「ソラナ憲法」(SGP-0001)が賛成85.97%、反対2.06%、棄権11.97%で承認された一方、取引手数料の一部を焼却する「SGP-0003」は賛成53.90%にとどまり否決された。
クラーケン共同CEOのアルジュン・セティ氏は、インフラ企業ヘリウスCEOのメルト・ムンタズ氏への返信で「カストディアンは意思決定の主体ではなく、導管であるべきだ」と述べた。ムンタズ氏はクラーケンの方針転換を歓迎し、「この数時間で数多くの電話をかけ、最後の数秒で全ての票を集めて僅差の可決にこぎ着けた」とXに投稿した。
資産運用会社21シェアーズは投票期間中の26日、SGP-0002の技術仕様にあたるヘリウスの提案「SIMD-550」を評価したレポートを公表した。同社の試算では、ソラナの年間ステーキング利回りは現行の約5.25%から、1年目に約4.34%、2年目に約3%、3年目には約2.25%まで低下する見通しだ。
一方で、ソラナ研究開発会社テンポラルによる提案「SIMD-553」は、取引時の計算資源消費量に応じた焼却手数料を導入する内容で、7月20日にクライアント側のコードレビューを通過していた。ただし、これを有効化するガバナンス提案「SGP-0003」は今回否決されたため、日次焼却量が600〜800SOLから7,500〜9,000SOLへ増える想定は現時点では実現に至っていない。
21シェアーズが結果判明前に示した「両提案を合わせた6年間で14億〜15億ドル規模」の抑制効果も、SGP-0003可決を前提にした試算である。今回可決されたのはSOL発行ペースを速く落とすSGP-0002のみで、6年間の発行減は約1,890万SOLと見積もられている。


