英財務省は27日、中央銀行であるイングランド銀行に、決済システムや新興のデジタルマネー分野の技術革新を支援する新たな副次的責務を与える方針を発表した。金融安定を最優先する同行の主目的自体は据え置かれた。
この副次的責務は、金融安定を最優先する主目的の下位に位置づけられる。イングランド銀行は今後、この責務への取り組み状況を毎年、議会に報告する。
英財務省の金融担当閣僚、ルーシー・リグビー氏は、トークン化や分散型台帳技術(DLT)などデジタル決済技術の発展が世界の金融市場を変革し得ると述べた。同氏はまた、金融安定を主目的としつつ決済・デジタル金融分野の技術革新を後押しすることで、英国が金融サービスの世界的リーダーであり続けられるとの見方を示した。
イングランド銀行の金融安定担当副総裁を務めるサラ・ブリーデン氏は、金融安定を損なうことなく金融サービス分野の技術革新を支援する取り組みが今回の発表によって後押しされるとの見解を示した。同氏はまた、英国の決済分野における信頼確保と技術革新の推進に向け、政府や他の当局と共に多くの取り組みを進めていると述べた。
この副次的責務の新設は、既存の規制の枠組みを踏まえたものだ。イングランド銀行はすでに中央清算機関(CCP)や証券保管振替機関(CSD)の規制で同様の副次的責務を担っており、今回の措置はこれをステーブルコインなどデジタル決済資産を扱う決済システムの規制にも拡大するものとなった。
英国では、ステーブルコイン発行体を対象とする規制の整備が進んでいる。FCAが非システム上重要なコインを単独で、システム上重要なコインはイングランド銀行とFCAが共同で監督し、規制の本格運用は2027年から始まる見通しだ。
今回の新責務の付与は、金融サービス市場法案(Financial Services and Markets Bill)の改正を通じて実現される見通しだ。同法案は9月7日と9日に貴族院で審議される予定となっている。
英国では、認可を受けたステーブルコインの本格運用が2027年から始まる見込みだ。政府はイングランド銀行やFCAなどとともに、決済分野の現代化に向けた取り組みを進めている。


