2016年から仮想通貨プロジェクトを展開してきたLisk(LSK)は25日、独自ブロックチェーン「Liskチェーン」を10月31日に閉鎖する方針を発表した。同時に「Lisk DAO」の解散も提案し、企業の資金管理を担うプラットフォーム企業への転換を表明した。
創業者のマックス・コルデック(Max Kordek)氏は同日、X(旧Twitter)上の声明で「ワークアラウンドは、どれだけ優れていても、しょせんワークアラウンドにすぎない」と述べ、10年間かけて蓄積した資金管理の課題を解決する新プラットフォームを立ち上げると説明した。DAO財務から1億LSKをバーンし、総供給量を4億LSKから3億LSKに引き下げる提案も示した。
Lisk Chainは2026年10月31日に停止する予定だ。同社はブロックチェーンのセロ(Celo)と提携し、Liskチェーン上で稼働するdAppや開発者向けの移行支援策を用意した。移行は任意で、対象プロジェクトはセロ側が用意した申込フォームから連絡することで、再展開やタイミングについて個別にサポートを受けられるという。
Lisk DAOについても解散を提案した。これまでコミュニティはDAO財務の配分先や助成対象の決定に直接関与していたが、事業がプラットフォーム開発に一本化されることに伴い、DAOのガバナンス用スマートコントラクトや「Lisk Governance Forum」も段階的に終了する案を示した。提案の詳細と実行計画はLisk Governance Forum上で公開されており、投票が予定されている。
Liskは、提案が承認されれば、DAO財務の1億LSKがバーンされ、総供給量は4億LSKから3億LSKに減少する。ステーキング契約の更新後は、誰でも違約金なしでいつでもアンステークできるようになる。ただしアンステーク後も3日間の待機期間は維持される。
LSKは新プラットフォームの「ロイヤルティトークン」として位置付けられる。企業は同プラットフォームの利用や他社の紹介に応じて報酬を受け取り、将来的にはLSKで報酬を受け取ったり、プラットフォーム手数料を支払ったりできるようになる予定だ。
保有者への対応は保管場所によって異なる。イーサリアム上または取引所でLSKを保有している場合、対応は不要としている。一方、Liskチェーン上で保有またはステーキングしている場合は、チェーン閉鎖前にイーサリアム( ETH )への移動が必要で、ブリッジには最低7日間を要するという。同社は今後、イーサリアムに加えてベース(Base)をLSKの主要ネットワークに位置づける。
同社によると、企業間のステーブルコイン決済は2025年に2260億ドルに達し、前年比8倍以上に増加した一方、欧州では仮想通貨関連企業の8割超が取引用銀行口座の開設で口座閉鎖を繰り返し経験しているという。この差を埋める狙いから、今回の事業転換に踏み切ったと説明している。
なお、今回の提案では「焼却」だけでなく、DAO財務の一部が会社側に移る点にも注意が必要だ。提案によれば、2027〜2033年分としてDAO財務に割り当てられた1億LSKは焼却対象となる一方、現存・2026年までに権利確定する約4700万LSKは、事業会社であるLisk Ltdに移管される。DAO管理下にあったUniswap v4とAerodromeの2つの流動性ボールトも、同社が引き継ぐ計画だ。
つまり「DAO解散」はコミュニティ資金の全額消滅ではなく、一部はコミュニティの手を離れて会社(Lisk Ltd)の管理下に入ることを意味する。焼却は供給量の25%減につながる一方、移管分は会社の事業資金として活用される見込み。


