仮想通貨市場でビットコインの優位性を巡り、新たな分析が示された。米グレースケール・インベストメンツの調査部門グレースケール・リサーチは25日、プライバシー機能を持つ仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)がビットコイン( BTC )のネットワーク効果に対抗しうるとの見方を示すレポートを公表した。
ジーキャッシュは2016年に登場した仮想通貨で、送金内容を秘匿できるプライバシー機能を特徴とする。同レポートは、同社が運用するジーキャッシュ現物ETFの普及活動としての側面も持つものだ。
グレースケールが指数大手FTSE・ラッセルと共同開発した独自の分類基準「クリプト・セクターズ」において、仮想通貨の通貨部門に占めるビットコインの時価総額シェアは93%に達する。同部門はビットコインの強固なネットワーク効果により競合が乏しく、多くの投資家がビットコイン以外への分散投資を行っていないという。
ただ、ビットコインが先行者優位を持つ一方、ジーキャッシュはAI時代に重要性を増す金融プライバシーや量子コンピューター耐性を意識した開発体制、ウォレットの「インテント」技術によるクロスチェーン接続性といった後発ゆえの強みを持つとレポートは分析した。ジーキャッシュは幅広い加盟店対応を必要とせず、インテント技術による接続性を通じて資産のハブとして機能しうるという。
ZEC価格は過去1年で約19倍に上昇した一方、時価総額はビットコインの1%に満たない水準にとどまる。グレースケール・リサーチは、この乖離を金融プライバシーの価値が過小評価されている証左とし、通貨部門における競争機会と上昇余地があるとの見方を示した。
背景として、グレースケールは25日、傘下のジーキャッシュ投資信託をジーキャッシュ現物ETF「ZCSH」に転換し、NYSEアーカ市場に上場した。ジーキャッシュへの直接エクスポージャーを提供する業界初のETFとなる。
グレースケールの担当者は、ETFの経費率は2.5%であり、その収益をジーキャッシュのネットワーク発展支援に充てる方針だと説明した。


