顧客資産90億ドルを運用する米仮想通貨運用会社ビットワイズは25日、モデルポートフォリオへウォレット内で自動追随するトークン化株式サービスの提供を開始したと発表した。仮想通貨取引所大手コインベースが手がけるトークン化株式と独立系プラットフォームのグライダーの技術を組み合わせ、対象者は自己管理型ウォレットで資産を保有したまま運用モデルを反映できる。
初弾の商品群は、マグ7エックス、ロボティクス、AIリーダーズの3種類である。マグ7エックスは『マグニフィセント・セブン』にスペースXを加えた8社への均等配分、ロボティクスは自律システム関連の主要企業への投資、AIリーダーズは人工知能分野を主導する企業への投資を軸とするものだ。
利用者はグライダーのプラットフォームを通じてアクセスでき、取引手数料等とは別に0.15%の手数料が発生するほか、提供開始時点ではコインベースのトークン化株式サービスと同様に米国外の対象地域に居住する非米国居住者のみが利用できる。ビットワイズの自動運用型ポートフォリオは今後数週間で順次展開される予定だ。
また、トークン化株式は常に投資家自身の非管理型ウォレットにとどまるため、プール型の器へ資産を移したりファンド運営者へカストディを譲渡したりする必要はない。ウォレットに資産を置いたまま分散型金融プロトコルでの貸借に利用できる一方、強制清算を含むリスクも伴うという。
ビットワイズの最高投資責任者を務めるマット・ホーガン氏は、これまでプロ仕様の運用モデルを得るには資産をファンドに預ける必要があったが、自動運用型ポートフォリオでは資産を自分のウォレットに置いたまま運用モデルを反映できると述べた。
コインベースも昨日、自社開発のブロックチェーン「ベースチェーン(Base)」上でトークン化株式サービスを稼働させたと明らかにした。発行された株式トークンは独自規格「B20」に基づき、規制対象カストディアンが原資産を1対1で保管する。
また、株式の取得主体は機関投資家型マーケットメーカーの指定参加者で、取得後はブローカー兼カストディアンのアルパカが、アブダビの金融規制当局アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の監督下で保管する。利用者はアップルやエヌビディアなど米国株の端株を自己管理型ウォレットで保有でき、分散型取引所のエアロドロームでの流動性確保やレンディングプロトコルのアーベを通じた借り入れの担保にも利用できる。
ベースチェーンの成長戦略を担当するアントニオ・ガルシア・マルティネス氏は、誰でも構築できる開放的でパーミッションレスな基盤があるからこそ、アルゼンチンのタクシー運転手でも従来は専門の資産運用会社しか扱えなかった機関投資家向けの運用手法に手が届くようになると述べた。


