全国約40の銀行が、ブロックチェーン上で流通する「トークン化預金」を活用した相互送金の実証実験に参加する。日本経済新聞が25日、報じた。GMOあおぞらネット銀行が中心となり、ディーカレットDCP、アビームコンサルティングと共同で8月中に実証を始める計画だ。
りそな銀行や商工組合中央金庫、横浜銀行などがオブザーバーとして加わる。既存の全国銀行データ通信システムを介さず、24時間365日低コストで即時決済できるインフラの構築が狙いだ。ディーカレットDCPは2027年度の実用化を見込むとしている。
トークン化預金とは、銀行預金をそのままブロックチェーン上のトークンとして流通させる仕組みを指す。法定通貨を裏付けに民間企業が発行するステーブルコインとは異なり、預金そのものであるため、マネーロンダリング対策など既存の預金規制を応用しやすい。
すでにゆうちょ銀行やほくほくフィナンシャルグループ傘下の北陸銀行が、トークン化預金の発行を目指している。企業間決済や給与振り込みでの活用が広がれば、異なる銀行間で資金をやりとりする必要が生じる。今回の実証はその受け皿となる決済インフラを先行して整える取り組みだ。
実証では2つの方式を検証する。銀行同士が預金口座を持ち合い、送金額に応じて残高を調整する方式と、ステーブルコインを介して送金する方式だ。三菱UFJ銀行など3メガバンクが共同発行を目指すステーブルコインの活用も念頭に置く。
同様の取り組みは海外にも広がる。英国では業界団体UK Financeが主導し、ポンド建てのトークン化預金「GBTD」の実証が進む。中国はデジタル人民元のパイロット運用エリアを拡大する方針で、通貨のデジタル化をめぐる主導権争いは世界的な様相を帯びている。
日本は預金や株式などをブロックチェーン上で取引する「オンチェーン金融」で米国に後れをとっているとされる。三菱商事は米銀最大手JPモルガン・チェースの基盤を使い、海外拠点間で預金を送金する実証を進めており、2026年度にも実用化する見込みだ。


