著名投資家でMaelstromのCIO(最高投資責任者)を務めるアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏は24日、自身のブログで、スコット・ベッセント(Scott Bessent)米財務長官による国債買い戻し拡大の動きが、2023年にジャネット・イエレン(Janet Yellen)前財務長官が主導したドル流動性供給策と同じ構図にあるとの分析を示した。
米財務省は19日、期近を過ぎた長期国債の買い戻し規模を1回あたり20億ドルから最低40億ドルへと倍増すると発表した。CNBCは24日、財務省高官の話として、残高約9500億ドルに積み上がった財務省一般口座(TGA)を買い戻しの原資に充てる可能性があると報じた。
ヘイズ氏は、2023年後半にイエレン氏が国債の発行構成を長期債から短期債(Tビル)に切り替えた「アクティビスト・トレジャリー・イシュアンス(ATI)」政策を引き合いに出す。Tビルの増発で、当時FRB(連邦準備制度理事会)のリバースレポ(RRP)に眠っていた資金が銀行システムへ還流し、市場全体の流動性が拡大したと説明する。
同氏によると、RRP残高は当時の約2兆5000億ドルから、ベッセント氏が財務長官に就任した2025年1月時点で約1000億ドルまで減少した。この間、ビットコイン (BTC) はFTX破綻後の安値から反発に転じ、節目とされる10年債利回り5%も低下したという。
ヘイズ氏は、10年債利回りが5%に接近すると住宅ローン金利や社債利回りが連動して上昇し、景気を圧迫するため財務省が利回り抑制に動きやすいと指摘する。19日の買い戻し拡大発表を受けビットコインは一時反発したが、10年債利回りは翌営業日に発表前の水準を上回った。
同氏は、市場が財務省の資金力を試している段階にあるとの見方を示し、TGAの活用や、米連邦準備制度(FRB)の準備金管理プログラム(RMP)を通じた国債購入拡大など、追加の流動性供給策が続く可能性が高いと予想する。
ヘイズ氏はこうした流動性供給の拡大が続く限り、ビットコイン相場は上昇基調を維持するとの見方を示す一方、値動きの荒さが増すためレバレッジ取引は避けるよう注意を促した。同氏がCIOを務めるMaelstromは、ビットコイン、イーサリアム (ETH) 、エセナ、Ether.fiに強気の投資姿勢を取っているという。


