金融庁は、日本円のステーブルコインについて、信託型の規制を緩和し、事実上の制限となっている100万円を超えて個人が取引できるようにすることを、近くまとめる税制改正要望に盛り込むことがわかった。日経新聞が24日に報じた。
本記事執筆時点では金融庁の税制改正要望は公開されていないが、報道によれば、信託型のステーブルコインの取引に伴う手続きを簡素化して、流通を円滑にすることが要望の目的。年末にまとめる税制改正大綱に向けて議論を行い、27年度以降の実現を目指すという。
日本円のステーブルコインに関するルールでは、 JPYC の資金移動型には発行・償還に1回100万円の制限があるが、もともとJPYSCの信託型には発行・償還の100万円の制限はない。今回報じられている具体的な要望内容は、取引に伴う手続きの簡素化だ。
現在は相続税や所得税のルール上、例えばステーブルコインの所有者が変わった場合、その度に所有者に関する情報を記載した書類を税務署に提出する必要があるという。自動車や不動産の購入などの高額支払いにステーブルコインを使いたいというニーズはあったが、この手続きの手間が理由で利用は事実上困難になっていた。
金融庁は、相続税法や所得税法の改正を通して、書類提出を一律で不要にするよう要望する模様だ。
金融庁の要望の詳細が現時点では確認できないため、今回の報道で関心を集めているのが、資金移動型に課されている100万円上限の緩和である。
この点について、JPYC株式会社の岡部典孝代表取締役は24日にXで、個人的な予想と前置きした上で、JPYCの100万円制限が緩和されるのは既定路線であるとの見方を示した。
その上で、信託型ステーブルコインは事実上の譲渡制限がかかっていて公正な競争になりえないため信託型のルールの緩和を税制改正要望として提出するというのが今回の報道内容であるとの認識を示している。
JPYSCを取り扱うSBI VCトレードの公式サイトでは現在、監督当局による確認および関係法令・税務実務の取扱いが整理されしだい、JPYSCの出庫を速やかに可能にする予定だと説明している。


