バイナンスリサーチが20日に公表した自社の株式関連商品の週間フロー分析(対象期間:8月13〜19日)によると、同プラットフォームの純資金フローは4,200万ドルの流出となり、3週連続の流出を記録したが、流出額は前週(8,200万ドル)の約半分にとどまった。
バイナンスリサーチは今回の分析で、金額そのものよりも、どのような市場環境で資金流出が起きたかに焦点を当てている。
ベンチマークとなるナスダック100指数に連動するETF「QQQ」は期間中に1.1%下落した。過去11週間では、QQQが下落した週の平均流入額は約1億6,500万ドル(前週時点の集計では約2億700万ドル)だったが、今回初めて、QQQが下落した週に資金が流出し、これまでの傾向から外れる結果となった。
流出を牽引したのはテクノロジーセクターで、純流出額は6,230万ドルと前週の1,870万ドルから3倍以上に拡大し、過去12週間で最大となった。特にメモリ関連銘柄の売りが目立ち、Micron、SanDisk、およびメモリ関連ETFが売買総額で上位を占めた。
メモリ関連株は17日まで上昇した後、18日に下落した。Micronは約7%、SanDiskは約9%、SK Hynixは9.2%下落した。背景には30年米国債利回りが、2007年以来の高水準となる5.33%に達したことや、ウォール・ストリート・ジャーナルが、大手テクノロジー企業が約3兆ドル規模の簿外のAI関連コミットメントを抱えていると報じたタイミングが重なったことがある。
レポートによると、これまでバイナンスの利用者はメモリ銘柄の下落局面で買い増す傾向が強かったが、今回は初めて売り込む動きに転じた。
これに対して、買いが入ったのは、これまで下落が続いていた仮想通貨関連銘柄が中心となった。
単一銘柄で最大の資金流入となったのはストラテジーで790万ドル。コインベースには200万ドル、iShares Bitcoin ETFには240万ドルが流入した。
ビットコインは17日時点では約6万3,000ドル近辺で推移していたが、19日には7.7%上昇して6万8,000ドルを上回った。同日、ストラテジーは+13%、コインベースは+11%と急反発した。
一方、サークル株は3週連続で売り越しとなった。バイナンスリサーチは「投資家は仮想通貨市場全体へのエクスポージャー(ベータ)を獲得する一方で、個別プロジェクト(発行体)の株式を売却している」と分析している。
テクノロジー以外のセクターを合計すると1,980万ドルの純流入となった。固定収入(620万ドル)とディフェンシブ株(730万ドル)は、ともに3週連続で過去最高水準となった。
ETF(上場投資信託)では、ナスダック100指数に連動するETF「QQQ」への純流入が780万ドルで最大となった。前週はほぼゼロだった。
投資家は、QQQの構成銘柄を売却する一方、同指数に連動するETFには買いを入れており、個別銘柄から指数全体への投資へシフトした様子がうかがえる。
半導体・韓国株のレバレッジETF(SOXL、KORU)には買いが入った一方、個別銘柄やレバレッジなしのETFでは売却が見られた。
バイナンスリサーチは、現金同等資産への資金移動にも注目している。
米30年国債利回りが19年ぶりの高水準に達した同じ週、資金は長期債ではなく、短期国債ETFへ流入した。米超短期国債ETFの「BIL」にはゼロから370万ドルが新たに流入し、「SGOV」にも210万ドルが流入した。
仮想通貨関連では、ビットコインETF(iShares Bitcoin ETF)に240万ドルが流入し、今回の調査で初めて資金流入が確認された。一方、前週に560万ドルが流入したメモリ関連ETFは売却に転じた。
このほか、配当成長株ETFでは前週に続き資金流入が維持された。
今後は、8月20日のウォルマート(Walmart)決算発表に続き、26日の7月米個人消費支出(PCE)価格指数の公表、27〜29日のジャクソンホール会議、28日のケビン・ウォーシュFRB議長による講演、そして月末の米半導体大手エヌビディアの決算発表などが予定されている。
9月15~16日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、6月の会合以来となる金利見通しが公表される見込みだ。
バイナンスリサーチは、今後は次の3点が焦点になるとみている。


