仮想通貨関連事業を家族で手がけるトランプ大統領について、米国での意識調査結果が19日に明らかになった。通信社ロイターと世論調査大手イプソスの共同調査で、回答者の63%が同大統領一族は仮想通貨事業を通じて不適切に利益を得たと答え、適切だとした32%を大きく上回った。
この調査はオンライン形式で8月14日から17日にかけて実施され、1,166人の米国成人を対象とした。
トランプ大統領は6月30日ごろに公表された2025年分の資産公開報告で、仮想通貨関連事業から14億ドル超の収入を得たと申告した。この金額は同年の総収入約22億ドルの大半を占めた。
内訳を見ると、トランプ氏のミームコインがライセンス供与などを通じて約6.35億ドルを稼ぎ、就任式前に発行された後、価格は大きく下落した。一方、家族らと共同設立した仮想通貨プロジェクト、ワールド・リバティ・ファイナンシャルはトークン販売を中心に5億〜8億ドル規模の収入を計上し、関連法人が販売収益の75%を受け取る契約になっているという。
なお、別ブランドで発行されたメラニア夫人のミームコインの収入は約600万ドルにとどまり、家族全体の中では小規模だった。これらの数字はいずれも経費差し引き前の収入・売上ベースであり、正味の利益額は開示資料に明記されておらず、集計方法の違いから報道機関ごとに幅がみられた。
世論調査ではまた、69%が大統領の仮想通貨を含む個人事業の利益は政策判断に影響していると回答した。共和党支持者の半数、無党派層の3分の2、民主党支持者の9割がこの見方を示したという。
また、63%が不適切とした回答は支持政党によって差がみられ、共和党支持者では約3割が不適切、約7割が適切との受け止めだった。
ロイターの独自集計によると、トランプ一族が主要な仮想通貨事業を通じて得た利益は、ワールド・リバティ・ファイナンシャルのトークン販売を中心に、大統領就任後の期間で少なくとも23億ドルに達するとみられる。この金額はトークン購入者側の推定損失額とほぼ同水準で、家族側の自己資金負担は少なかったという。
ロイターによると、一連の利益をめぐっては、当事者側からもそれぞれの立場が示されている。トランプ大統領は復帰後、家族の事業運営には日常的に関与しておらず、資産は独立した機関が管理していると主張した。
また、ホワイトハウスは疑惑を否定しており、報道官のアナ・ケリー氏は大統領の資産運用は独立した金融機関に委ねられていると説明した上で、利益相反は存在しないと反論した。
一方、共和党のジョージ・W・ブッシュ元大統領の下で倫理担当法律顧問を務めたリチャード・ペインター氏は、現政権における事業と政治の重なりは過去に例がない規模だとの見方を示した。


