ビットマイン(Bitmine)会長でファンドストラットの共同創業者でもあるトム・リー氏は10日インタビューで、ロビンフッド(Robinhood)が7月1日に稼働させたイーサリアム( ETH )基盤のレイヤー2ネットワーク「ロビンフッドチェーン(Robinhood Chain)」について、2026年で最大級の仮想通貨関連の成功事例だとの見方を示した。根拠として挙げたのは、ロビンフッドが抱える顧客基盤の規模だ。
リー氏は、ビットマインの週次のETH保有状況を発表する声明の中でこの見解を示した。同社が発表した資料によると、ロビンフッドは2026年1〜3月期末時点で2740万人の資金入金済み顧客を抱え、前年同期から170万人増加している。レイヤー2とは、イーサリアム本体の外側で取引を高速処理し、結果だけを本体に反映させる仕組みを指す。
リー氏は声明で「ロビンフッドチェーンはETHをネイティブガストークンとして使い、取引手数料もETH建てで、決済はイーサリアムで完了する」と説明したうえで、「ロビンフッドの2700万人のユーザーがETH建てで手数料を支払っている」と述べた。
ロビンフッドチェーンは開発基盤にアービトラム(Arbitrum)の技術を採用しており、稼働からおよそ3週間でDEXの累計取引高が約90億ドル(約1兆4220億円、1ドル=158円換算)規模に達したと市場データは示している。
ネットワーク上の預かり資産(TVL)は約4億3100万ドル(約681億円)に達し、日次のアクティブユーザーは25万人超、1日あたりの取引件数は600万件前後との集計もある。
稼働開始から90日間はガス代を無料とする施策も採られており、短期的な利用を押し上げた可能性がある。ビットマインは同じ発表で、前週に2万7801ETH(約4900万ドル、約77億円)を追加取得し、保有量が577万38ETH、イーサリアム流通量の約4.8%に達したことも明らかにした。
実態には留保も必要だ。累計約90億ドルのDEX取引高のうち、8割超をミームコインの取引が占めており、ロビンフッドチェーンが主眼とする株式のトークン化や実物資産(RWA)分野の比重は現時点で限定的となっている。トークン化株式の保有者数は稼働後に約32万8000人へ増えたが、資産評価額は合計約4400万ドル(約69億円)にとどまり、1人当たりの平均保有額は約134ドル(約2万円)にすぎない。
リー氏が引き合いに出す「2700万人」は、あくまでロビンフッドの顧客基盤全体の数字であり、ロビンフッドチェーンを実際に利用したユーザー数を意味しない。米国や英国、カナダなど一部地域ではトークン化株式や無期限先物といった主要サービスの提供対象外となっており、規制対応やスマートコントラクトのリスクを含め、顧客基盤全体への浸透は道半ばの段階にある。


